今回の地震を引き起こしたとされる日奈久断層帯についてです。専門家の調査に同行取材し、断層のずれによる建物への被害の特徴や、今回ずれ動かなかった“割れ残り”のリスクについてお伝えします。

東北大学災害科学国際研究所・遠田晋次教授:
今回の熊本地震の前よりも(大地震の)可能性は高まっているので、今後、いつ起きるか分からないが、数カ月、数年といった若干、長期で対策を考えていかないといけない。
活断層と地震のメカニズムに詳しい、東北大学の遠田晋次教授です。
8月2日、震度7の揺れを観測した宇城市小川町を調査しました。

東北大学災害科学国際研究所・遠田晋次教授:
この辺りが断層ですね。一直線にはならない、アスファルトなどが地表にあると。
住宅の塀がたわんでいるのが分かると思います。側溝もそうですね。それが断層を隔てて、向こう側が右に動いている。これが右横ずれ断層、1メートル強ぐらい横にずれている。
周辺の至る所で“断層のずれ”を確認できます。

東北大学災害科学国際研究所・遠田晋次教授:
これもブロック塀が右横ずれしているのが見えます。ここは、U字溝がずれている。
水道管の破断と断層真上の住宅被害
また、道路の下に埋設されていた水道管も…。

東北大学災害科学国際研究所・遠田晋次教授:
断層が水道管の所を通っていて、それをずらして壊している状況で、このために水が供給できなくなっている。

水道管が横に約70センチ、上下に40センチほどずれ、完全に破断していました。
日奈久断層帯の真上に建つ住宅の中を見せてもらうと…。

谷川征博さん:
これが断層の線なんです。このドアは開かないです。(ドア枠が変形して)“つっかえ棒みたい”になって。断層で家全体が持ち上がって、家が真っ二つに分かれてしまった感じ。もう住めない。
今回の地震の特徴について遠田教授は次のように話します。

東北大学災害科学国際研究所・遠田晋次教授:
この断層沿い、地表がずれた所を見てみると新耐震(基準の建物)や最近の非常に頑丈な建物も傾いたり、ねじれたりとか、そういう現象が多く見られる。
平野部の被害と今後の津波リスクへの警戒
一方、断層から離れた平野部では、軟らかい地盤が揺れを増幅させ、1981年以前に建てられた旧耐震基準の家屋が多く倒壊したとみています。

東北大学災害科学国際研究所・遠田晋次教授:
断層帯としてずっと南に続いているので、まだずれていない“割れ残り”の区間が今後、大きな地震を起こす可能性はまだある。
遠田教授は、今回の地震でずれ動かなかった八代海まで続く日奈久断層帯の南側について警戒を呼びかけます。

東北大学災害科学国際研究所・遠田晋次教授:
海で活断層が動いた時に、海底面を上下させることがよくあるので、そうなると津波が発生するし、海岸線に断層が近いので地震の揺れの直後、もしくは状況によっては揺れている時に、海岸に非常に断層に近い所では津波が来る可能性があるので、海岸線にいる人は津波を常に意識してほしい。

