“金銭授受疑惑”に揺れるなか、渦中の議員が熊本地震発生直後に「ビアパーティー」を開いていたことが明らかになった福岡県議会。
疑惑解明のための第三者委員会について否定的な考えを示していた議会の“ドン”と呼ばれる蔵内勇夫議長が、一転、委員会設置の方針を示しました。
突然の方針転換の背景とは?
■“渦中の議員”が地震直後に「ビアパーティー」
福岡県議会の自民党県議団会長の松尾統章議員は、先月28日、熊本県で最大震度7を観測し、福岡市でも震度5弱の大きな揺れを観測した地震が発生した数時間後、福岡市内のホテルで政治資金パーティーとして「ビアパーティー」を開催。
パーティーは食事込みの会費が15,000円、余興にはものまね芸人も呼ばれ、500~600人程度が出席していたといいます。
パーティーでは自分も“渦中の人”となっている「金銭授受疑惑」について「今だからこそしっかり説明しないといけない」と話したということです。
松尾議員は蔵内議長らとともに、料亭で「お車代」として50万円を受け取ったと告発されていて、パーティーで自らの“潔白”を主張するなどしていました。
■当初は「やってよかった」発言も…自民党県議団会長辞任の意向
しかしその後、パーティーを予定通り開催したことが明らかになると、各方面から批判の声が。
福岡県の服部誠太郎知事は「県も地震後、災害対策本部を直ちに立ち上げている」「リスク管理、対応として特に飲食を伴うものを開くということは不適切ではないか」と指摘。
さらに身内の若手議員からも、「本人があいさつの後退席していれば…もうかばいようがない」「熊本の県議たちにあわせる顔がない」という声もあがっています。
その一方で松尾議員は当初、取材に対して「被害の全体像が把握できず。パーティーに人が集まってきていたので中止の判断ができなかった」としたうえで、パーティーは「私自身が説明し皆様から意見をいただくことが重要」「正直やってよかったと思っています」と発言。
しかし、3日になって「多くの方々に不快な思いをさせた」「本当に申し訳ないと思っている」として自民党の福岡県議団の会長を辞任する意向を表明。
一方、「説明責任がある」などとして議員辞職はしない意向です。
■”県議会のドン”が方針転換 金銭授受問題解明の「第三者委」を設置方針
そんななか、“県議会のドン”と呼ばれ、疑惑の対象となっている蔵内勇夫議長が、疑惑調査のための第三者委員会を設置する方針を明らかにしました。
もともと設置に“否定的”だったものの、3日になって方針転換。
その理由を次のように説明しています。
「議会に対して、第三者いいかを望む声が強かったのですが、地方自治法上難しいとのことから、やむを得ず別な形で弁護士の人選を進めて参りました。
しかし専門家と相談し検討を進めた結果、ようやくベストな形が見いだせる道が見えてきました」
■「世論に押された結果」の方針転換 「問題解明だけでなく、改革も必要」
関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」にスタジオ出演した元朝日新聞記者でキヤノングローバル戦略研究所・上席研究員の峯村健司氏は蔵内議長の方針転換について「地元だけではなく、全国のメディアに注目され、世論に押された形なのだろう」と分析。
また、松尾議員のパーティーの予定通りの開催については、、自らも先月29日に自民党の講演会が予定されていたものの、「地震の1時間後には中止が決まった」と明らかにし、「全体状況が分からないと言うが、震度7なんだから、全体状況も何もない」「当事者に近いのに、自覚があまりにもない」と批判した。
社会起業家の石山アンジュ氏は、地震後に福岡を訪れた際に「県民の方がすごく怒っているというのを感じた」と指摘。
「調査委員会は問題の解明だけでなく、しっかり改革までやってほしい」と指摘しました。
■”県議会のドン” 知事からも“距離置かれ”身内からも批判
関西テレビの江口茂報道デスクは、地元局・テレビ西日本の取材から、金銭授受疑惑から服部知事がもともと選挙などでも協力していた蔵内議長と距離を置き始めたとみられると解説。
さらに若手の自民党議員も危機感を持って“重鎮”に意見を言い始めているという現状があると指摘しました。
揺れる福岡県議会。
今後、問題の解明に加え、議会の“体質”はどうなっていくのでしょうか。
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2026年8月5日)
