富山地方鉄道の新庄一洋新社長は、富山テレビの取材に対し、全線維持の方針が示された本線について「みなし上下分離方式」が最も適切だとの考えを示した。さらに「残すだけにとどまらず、鉄道を"活かす"ことが今後の勝負所だ」と語り、運賃値下げや運行本数増加など利便性向上に向けた具体的な方向性も明らかにした。

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「利用者を第一に考えた方針で安心した」

再構築検討会(7月21日)
再構築検討会(7月21日)

富山地方鉄道の本線をめぐっては、沿線自治体と富山県が維持のあり方について議論を重ねてきた。今月21日の検討会では新田知事が、あいの風とやま鉄道と並行する区間を含めた全線を維持する方針を表明。新庄社長はこの判断を「利用者を第一に考えた方針で安心した」と歓迎した。

その上で、事業構造として「みなし上下分離方式」の導入が適切だと主張した。これは地鉄が線路や施設を保有したまま維持管理し、その費用を沿線自治体が負担する仕組みだ。新庄社長は「93.2キロの路線で、山岳地帯もある。これまでやってきたノウハウが大事だと思う」と述べ、地鉄自身が施設管理を担い続けることに強い意義があるとした。

運賃値下げ・本数増加・他社連携の3本柱

国の支援を受けて鉄道を再構築するには「利便性向上策」を示すことが求められる。新庄社長はその具体策として、①運賃の値下げ、②運行本数の増加、③他社との連携による鉄道ネットワークの拡充、の3点を挙げた。

「再構築事業を活用し、運賃を下げるなどサービスを提供すれば、利用の流れが少し変わるのではないか」と新庄社長は話す。沿線住民にとっては、日常的に使う鉄道の料金が下がり、本数が増えることは生活の利便性に直結する。この3本柱が実現すれば、通勤・通学・観光など幅広いシーンで地鉄の存在感が高まることが期待される。

「移動手段以外にも役立てることにつながる」

新庄社長が特に強調したのは、鉄道を「残す」発想から「活かす」発想への転換だ。「残すだけにとどまると、存続という意味、あるいは移動手段の範囲にとどまる。"活かす"になってこそ、移動手段にさらに役立て、移動手段以外にも役立てることにつながる。そこが今後の勝負所では」と語った。

単なる路線の存続維持ではなく、地域の活性化や観光振興など、鉄道が持つポテンシャルを最大限に引き出す視点が今後の議論の軸になるという考え方だ。全長93.2キロにわたり、富山地方鉄道本線が、今後どのように地域社会に貢献できるか。新社長のもとで描かれる青写真に、沿線住民の関心が集まっている。

(富山テレビ放送)

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