22日午前11時過ぎの十勝岳。
火口から黒い煙が噴き出す様子が分かります。
札幌管区気象台によりますと22日午前11時7分頃、北海道の中央部に位置する十勝岳でごく小規模な噴火が発生し、黒い噴煙が高さ約200メートルまで上がりました。
「普段は火口付近ががよく見えるこの場所。きょうは雲がかかっていて、噴煙などは確認できません。」(中村真也記者)
十勝岳の火口から3キロほど離れた「望岳台」には噴火を知らずに訪れた観光客の姿も…
「えー!そうなんですか?びっくりしました」(観光客)
この噴火で大きな噴石の飛散は確認されませんでしたが、火山性微動が観測されたほか、避難小屋の観測点で、噴出に伴う空気の振動「空振」が観測されています。
観光シーズンを迎えた十勝岳のふもとの白金温泉のオーナーも今後の火山活動を注視しています。
「今のところ何も影響はない。あとは本当に何もないことを祈るばかりです」(白金自由港ホテル 水野勢太郎代表)
十勝岳で噴火が観測されたのは、2004年以来22年ぶりです。
気象台は、噴火警戒レベル2の「火口周辺規制」を継続し、火口から概ね1.5キロメートルの範囲では、大きな噴石に警戒するとともに、危険な地域には立入らないよう呼びかけています。
この噴火を受け、麓の上富良野町は、防災無線や町のホームページで、情報提供を行っています。
「麓に居住されている住民の生活には、影響はありませんと(防災無線で)放送させていただいたところです」(上富良野町総務課 辻秀人さん)
十勝岳は、20年から30年の周期で噴火を繰り返しています。
最も大きな被害があったのは、今から100年前の1926年の噴火です。
噴火で山の一部が崩れ高温の土砂が雪を溶かすことで「融雪型泥流」が発生。
死者・行方不明者144人に上りました。
1962年の噴火では5人が死亡、または行方不明となっているほか、1988年から89年にかけては20回以上の噴火を繰り返しています。
■気象台「今回はレベル2の範囲内の噴火」
22日の噴火について、札幌管区気象台は…
「今回はレベル2の範囲内の噴火で、今のところさらに活動が活発化する兆候は見えていませんので、引き続き噴火警戒レベル2は継続します。麓に住んでいる方や温泉街の方は普段通りの生活を続けていただいて、引き続き火口周辺には近づけないので登山する方は留意していただけたらと思います」(札幌管区気象台 永沢幸さん)
気象台では風向きによっては、火山灰や小さな噴石が遠くまで流される恐れがあるとして、注意を呼びかけています。
十勝岳は北海道のほぼ中央に位置する標高2077mの活火山です。
周辺にはインバウンドで大人気の青い池、火口が観察できる望岳台など、平時であれば火山の恵みによって人が集まる観光地となっています。
今回噴火した62-2火口には6月からレベル2の規制が敷かれており、火口から半径1.5kmの立ち入りが禁止されていました。
なお、今日の噴火を受けても規制はレベル2のままで、地元住民や観光客が必要以上に恐れる必要はないとのことです。
今後の見通しについて専門家は…
1 火山活動が高まる兆候は見られない
2 影響は火口周辺1.5キロにとどまる
3 地元住民は強い警戒は不要だが、登山客は火口周辺に近づかないことが大切
(札幌管区気象台 地域火山監視・警報センター 永沢幸所長)
北海道に31ある活火山のうち、気象庁が24時間観測・警戒している「常時観測火山」は9つで、十勝岳はその中に含まれていました。
十勝岳の他には恵山や有珠山などの有名な山に加え、十勝岳と同じレベル2の規制が敷かれている雌阿寒岳が常時観測の対象になっています。
十勝岳の噴火を必要以上に恐れる必要はありませんが、今後も火山の情報には十分ご注意ください。
