俳優の大東駿介さんが、訪れた街のうんちくや、まだ地元住民にも知られていないような魅力を探す「発見!てくてく学」。
今回のテーマは、「なぜ愛される?大阪の喫茶店グルメを学ぶ」です。
実は喫茶店の数が6758軒と、全国1位に君臨する大阪府。
【大東駿介さん】「確かに愛してますね!中学生のときに大人の第一歩として、友達と一緒に喫茶店にモーニングに行ったの覚えてますわ」
時代を感じさせる店内、昔懐かしいメニュー、そして世代を超えて愛される”おもてなし”の精神に、大東さんが迫ります。
■大阪人の「喫茶店愛」は?
まずは、大阪・ミナミの「なんば」周辺で大阪人がどれだけ喫茶店を愛しているのかを調査しました。
街で出会った女性に喫茶店でいつも頼むものを聞くと…
【女性】「大阪やったらミックスジュースでしょ!」
【大東駿介さん】「あとオレはキューピットっていう、コーラとカルピス混ぜたやつ」
65歳からパチンコ店でアルバイトをしている男性は、喫茶店の定番メニューについて語ってくれました。
【男性】「昔からのスパゲッティとか。喫茶店はナポリタン!」
昔、男性が「タバスコ」とは何かよく分からず、友だちに「たくさんかけると美味しい」と騙されて大量にかけてしまい、無理をしながら食べたという微笑ましいエピソードも飛び出しました。
■コーヒーおかわり無料!名店「英國屋」のこだわり
なんばを代表する喫茶店として必ず名前が挙がるのが「英國屋」です。
関西を中心に全国で40店舗を展開しています。
英國屋ではコーヒーを頼むとおかわり1杯が無料!
常務の西村賢太さんによると、「2杯飲んでもらってゆっくりしてもらおう」という創業者のこだわりが込められているといいます。
創業者は当初、女性客をターゲットにしたいという発想からスタートしました。
重厚感を出すために、内装に2億円以上をかけた店舗もあるそうです。
さらに女性用トイレを男性用の倍の広さにするなど、女性にとって居心地の良い空間作りを徹底。
その甲斐もあって、流行に敏感な女性たちの交流の場となっていきました。
フードメニューも充実しており、注文を受けてから焼き始めるワッフルは看板メニュー。
毎朝店に届けられるシフォンケーキは、生クリームとスポンジの鮮度が自慢です。
■大阪に喫茶店が多いのは「おしゃべり好き」だから!?
ところで、なぜ大阪は日本で一番喫茶店が多いのでしょうか?
西村さんの答えはシンプルでした。
【英國屋・西村賢太さん】「単純に喋るのが好きな人間が多いんかなと」
おしゃべり好きな関西人にとって、喫茶店で過ごす時間はかけがえのないもの。
しかし理由はそれだけではありません。
昭和の大阪には、喫茶店を開業するための学校が多く存在していたのです。
コーヒーやフードメニューのレシピを教え、オープン後の機材や食材のサポートまで行っていたといいます。
【大東駿介さん】「でも、喫茶店の学校ができる背景には、おしゃべり関西人がいるっていうことですよね」
おしゃべり文化が需要を生み、学校が供給を支えたのかもしれません。
■創業80年「純喫茶アメリカン」本物へのこだわり
続いて大東さんが訪れたのは昭和21年創業の「純喫茶アメリカン」。
明るい店内には毎週入れ替える本物の花が飾られています。
内装へのこだわりは圧巻!壁を飾る一流メーカー「川島織物セルコン」の装飾は約64年もの。
貝の内皮を使ったモザイクは現在では再現不可能だといいます。
エレベーター周りの赤い大理石もいまでは採掘できない希少な素材。
内装を手がけたのは、なんと皇居の内装を担当した業者でした。
創業者・山野勝次郎さんのモットーは「一級品でお客さんをおもてなしする」こと。
儲けは全部店に注ぎ込み、自身の生活は質素だったそうです。
家族連れはもちろん、お見合いの場としても利用されてきた「アメリカン」。
かつてこの店で出会った夫婦が、孫を連れて訪れることもあったのだそうです。
■子どものころの憧れ「プリンファッション」に感動
「アメリカン」で昔ながらの喫茶店メニューとして登場したのが「プリンファッション」。
一般的にはプリンアラモードと呼ばれるメニューです。
自家製プリンのまわりを華やかなフルーツが取り巻き、長年付き合いのある製菓店から取り寄せた高品質な素材で盛り付けられています。
大東さんは子どもの頃、なんばに遊びに来た帰り道にアメリカンのディスプレイを憧れの目で見ていたといいます。
【大東駿介さん】「『いつかこれを食べに行きたいな』って思ってた夢をいま叶えた感じがする!」
いま流行りの「昭和レトロ」ブームについて、アメリカンの店主はこう語ります。
【三代目・山野陸子さん】「『昭和レトロ』を狙ってるわけでもなんでもなくて『本物』を狙ってます」
【大東駿介さん】「積み重ねてきたものを未だにまっすぐ表現しているだけということですね」
■閉店した名店を復活させた“36歳オーナー”の思い
最後に向かったのは、大阪市西区にある「喫茶水鯨」。
歴史がありそうな佇まいのお店ですが、オーナーの山口修平さんは36歳。オープンしてまだ5年ほどの店です。
実はこの店の椅子、テーブル、ステンドグラス、ランプシェードなどは、金沢で閉店した有名な喫茶店から譲り受けたもの。
昔から昭和の喫茶店が大好きだった山口さんが、かつて訪れた喫茶店の閉店を知り、「内装だけでも残せませんか?」と申し出たのがきっかけでした。
かつて金沢の店に通っていた常連客が訪れることもあり、「めっちゃ懐かしい」と声をかけてくれたり、泣いたりしてくれる人もいるそうです。
■喫茶店は「文化財」
名物だった3色のクリームソーダはこの店でも大人気です。
【山口修平さん】「日本のお寺とか神社と同じような文化財だと僕らは感じていて。前のお店がいかにすごかったのかというのも伝えていきたい」
山口さんは喫茶店文化を残すための協会も設立し、店を引き継ぎたい人と譲りたい人をマッチングさせる活動も行っています。
【大東駿介さん】「ぜひお客さんには、テーブル、イスとか1つ1つに目を向けて、グルメも含めて、このお店の人たちはどのように私たちをもてなそうとしてくれるのかって、味わってもらったら嬉しいですね」
(関西テレビ「newsランナー 大東駿介の発見!てくてく学」2026年7月9日放送)
