ここからは防災特集です。県内は連日、大雨ですね。
【菅野】
今回私は、雨が降るとなぜ佐賀市が冠水しやすいのかベテラン防災士に聞いてきました。
菅野さんが訪ねたのは、佐賀地方気象台の台長を務め、県防災士会にも所属していた佐賀市出身の溝上良雄さんです。
2022年5月防災フェスタ佐賀の気象や防災について第一人者の溝上さんに、佐賀特有の水害リスクについて街なかを歩きながら教わります。
【菅野】
「駅に近い場所ですが、かなり浸水するんですね」
【溝上良雄さん】
「元々(土地が)低いのもあり自転車のタイヤが上ぐらいしか見えないぐらい(浸水した)」
【菅野】
高さで言うと?
【溝上良雄さん】
「腰くらい浸水が中央大通り一帯に。商業や交通機関に影響を及ぼした」
2019年の豪雨では佐賀市内で407件の床上浸水が発生し、床下浸水も2492件にのぼりました。
繰り返し水に浸かる理由の1つが…。
【菅野】
「ここにもクリーク!」
【溝上良雄さん】
「佐賀平野で全部合わせると数千キロくらいの水路網が作られている。水と戦う考え方ではなくて、水とうまく付き合いながら暮らしていくという考え方ですね」
低平地で暮らす先人たちの知恵が生んだクリーク。
農業用水としてだけでなく、雨水を流す役割も担っています。
佐賀市周辺には、約2000キロに及ぶ水路が張り巡らされ、街の排水を支えていますが…。
【溝上良雄さん】
「1時間に100ミリを超す集中豪雨が短時間に降ると、どうしても思い通りに機能しない。それが最近の雨の降り方。それで一気に雨水があふれ出す」
ここ数年、短時間に激しい雨が降ることが増え、水をさばききれず、クリークから雨水があふれて、内水氾濫につながるケースも。
なぜ水が逃げにくいのか…その理由は県内の地形にあります。
【菅野】
「南部、平地が広がっていますね」
【溝上良雄さん】
「山に降った雨は平野に流れ、土地が低いため排水がうまくいかなくなると、この一帯に(水がたまる)」
【菅野】
「佐賀平野一帯がため池、水をためてしまう…」
【溝上良雄さん】
「(満潮時の)海面より低いいわゆる0メートル地帯もあり、排水の面で非常に困難にしている」
浸水が起きやすい理由は、”低平地”だけではありません。
日本一の干満差がある有明海も、潮位によっては、浸水リスクを高めます。
有明海が干潮の時は、雨水を海へ逃がせますが、満潮だと海への行き場を失った水がクリークや市街地にたまり浸水につながることがあります。
そんな中、佐賀らしい浸水対策が佐賀城のお堀で進んでいます。
【菅野】
「貯水の施設にもなるそうで」
【溝上良雄さん】
「最近の治水の考え方は、流すだけじゃなくて、流すこととためること。流域治水という考え方ですね」
流域治水とは、川だけに頼らず1地域全体の施設や土地を使って水害を減らす考え方です。
佐賀城のお堀は、近くの川への自然排水で、約6万トン貯水できますが、ポンプ車で強制排水すれば、さらに9000トンをためることができます。
24日はこのポンプ車が初めて稼働し、3000トン排水しました。
【平川】
「ここで溝上さんと菅野さんが地図を広げて話していましたが、隣のクリーク、カッパの像や飛び石は浸かっています。浸水しています」
サガテレビ近くの水路やお堀、少しではありますが、溝上さんと撮影した日よりも水位が高くなっていました。
まだクリークに収まっていますが、2019年や2021年のように短時間で集中的に降り続けば浸水被害が出る場合もあります。
【菅野】
浸水害への備えがこちらです。
ハザードマップで浸水想定を確認する。
大雨の際は満潮の時間に注意する。
そして、大雨予想が発表されたら家電や貴重品は高い場所へ移動させましょう。
今後も最新の気象情報を確認し、早めの備えを心がけてください。
