2024年10月、北海道江別市の公園で男子大学生(当時20歳)が男女6人に集団暴行を受けて死亡した事件。
逮捕起訴されたのは、交際相手だった八木原亜麻被告(21)、その友人の川村葉音被告(21)、川村被告が連れてきた川口侑斗被告(当時18)、滝沢海裕被告(当時18)、当時17歳の少年と、16歳の少年の計6人です。
このうち川村被告、滝沢被告、当時16歳の少年の3人の裁判員裁判が札幌地裁で行われ、6月25日に3人それぞれに判決が言い渡される予定です。
■頭部を中心に繰り返される凄惨で執拗な暴行…金品強奪を意図したあとに激化
これまでの裁判で、被害者の遺体を司法解剖した医師は「被害者の顔や頭部全体に出血があり、数十回以上の打撃が加えられていたと考えられる」と、暴行の凄まじさを証言。全身の血液量の20~30%を失い、外傷性ショックで死亡したと説明しました。
被害者は頭部を中心に全身に傷害を負い、皮下出血や筋肉内出血のほか、右の腎臓からも出血していました。
法廷では、約2時間に及んだとされる暴行の内容も明らかになりました。被害者は裸で土下座を強要され、輪郭が変わるほど顔面への執拗な打撃を受けたほか、頭髪を燃やされるなどの行為もあったということです。
検察側はこれらを「目をそむけたくなる非人道的な暴行」「絶望の淵に追いやる虐待的・拷問的暴行」と表現。長時間かつ多数回の暴行が積み重なり致命傷に至ったと指摘。金品を奪う意図が生じた後の暴行が特に激しくなり、その結果として死につながったと主張。
札幌地裁も中間判断として「強盗致死罪は成立する」との考えを示しました。
■友人の交際トラブルに腹を立て仲間を呼び事件の発端に…川村被告には「無期懲役」求刑
この裁判では6月5日、川村被告に対して検察側が「犯行は著しく悪質で、情状に酌量すべき事情が見いだせない」として無期懲役を求刑しています。
一方、弁護側は「最初から加害行為を計画していたものではなく、偶発的だった」として、「13年の有期懲役が妥当だ」としています。
5日の裁判では、「強盗致死罪の法定刑は死刑または無期懲役、原則的には2つしかない。あなたはどうなると思っていますか?」という検察側の質問に、「社会に出られる確率は少ないと思ってます。少ないというかほぼないと思ってます」と川村被告は答えました。
■凄惨な暴行を受ける被害者に”ライダーキック”…滝沢被告には「懲役20年」求刑
滝沢被告について検察側は、「ライダーキック」と叫びながら被害者を蹴るなど、ふざけながら暴力を振るう雰囲気が形成され、暴行を盛り上げる役割を果たしていたと指摘。
首元への蹴りや、いわゆる「根性焼き」と呼ばれる行為への関与も。
6月11日の裁判では、滝沢被告に対して検察側が「終始主導したとは認められない」として懲役20年を求刑。
一方、弁護側は「少年であることが考慮されるべき。流れを抜けられない未熟さがあった」として「懲役15年が妥当」としています。
■頭髪を燃やされる姿見て「これ花火だ」…当時16歳の少年には「懲役10年以上15年以下の不定期刑」を求刑
6月19日の裁判で検察側は、当時16歳の少年について、暴行の主犯格とされる川口侑斗被告(当時18)による暴行が始まった後も、暴行を止めることなく、頭髪を燃やされる被害者を「うわーこれ花火だ」などと嘲笑し、「仲間との遊びの延長のような心持ちで暴行や強盗にまで及んだと言える」と指摘しました。
そのうえで、主導したとは認められないこと、実際に加えた暴行が他の共犯者より劣ること、犯行時16歳であったことを考慮したうえで「懲役10年以上15年以下の不定期刑」を求刑しました。
一方、弁護側は、少年の暴行は「自分のサンダルに被害者の血がついたことに憤慨して蹴りを入れたのみ」とし、「最年少で従属的な地位」であることから「懲役5年から10年の不定期刑が相当」と主張しました。
■「弟を見殺しにして食べたラーメンは美味しかったですか」遺族の怒りと悲しみ
救急車を呼ぶこともなく被害者を放置したまま、奪った金品を使ってコンビニで買い物をし、ラーメン店で食事までしていた被告たち。
被害者の姉は法廷で「盗んだ金でラーメンを食べて帰る、正気か」「弟を見殺しにして食べたラーメンは美味しかったですか」などと強い怒りを示し「法律の許す最大限の刑に処して欲しい」と訴えました。
また両親も代理人を通じて意見陳述し、父親は「毎日息子に線香をあげることしかできない」「無念で無念で仕方ありません」と苦しい胸の内を吐露しました。
母親も「息子の無念を晴らすため、最大限の刑罰を望みます」と訴えました。
川村被告、滝沢被告、当時16歳の少年ら3人の判決は、6月25日午後に言い渡される予定です。
