自民党と日本維新の会がまもなく提出する「副首都法案」。いわゆる“大阪都構想”の住民投票の範囲については、維新側が折れる形で大阪市域に限定されました。

22日、党首会談の後、高市総理が「“大阪都構想”に賛成の意を示した」と強調した日本維新の会の吉村代表。

一方、高市総理は「“都構想”を含めた“副首都構想”は、我が国で初めてとなる、統治機構改革であります。私は高く評価をしております」と記者団に語り、評価するのは「“都構想”を含めた”副首都構想”」だと強調しました。

維新、自民、双方にどんな思惑があるのか。東京・永田町(国会)と大阪・大手前(大阪府庁)の担当記者の解説です。


■番記者が見た「吉村代表が見せた悔しそうな表情」

【関西テレビ東京駐在・犬伏凛太郎記者】

吉村代表の「“都構想”に総理は賛成」発言を現場で取材した現場で感じたのは、吉村代表が見せた悔しそうな表情です。

高市総理との会談の内容などは淡々と答えていたものの、住民投票の範囲を大阪府全域から大阪市域に絞る「法案修正」について『自民党にまとめて欲しかったという思いに尽きる』と話したときは、ゆっくりと言葉を選び、悔しさをにじませている印象を受けたといいます。

現場にいた番記者の中でも、「吉村代表の目が少し潤んでいたのではないか」と話題になったほどです。

■副首都法案「付則」は“都構想”の切り札だった

実は副首都法案は、自民と維新の実務者の間では骨子案の段階で合意をしていました。

さらに吉村代表にとっては、維新内で上がる「副首都」と「都構想」を一緒に進めることに対する疑問の声を押し切って進めてきたのに、このタイミングで高市総理からはしごを外されたことが、悔しさをにじませる表情につながったのではないかと感じています。

さらに“都構想”の住民投票の範囲が大阪府域になることにつながる副首都法案の付則は、吉村代表にとっては“都構想”実現のためのまさに切り札でした。

過去2回、大阪市域の住民投票で否決されている維新としては、大阪府域に拡大して望みたいところでした。

この切り札を失ったことは、“都構想”実現に暗雲が立ち込めた形といえ、吉村代表自身も「投票範囲が市域に維持されることで可決はやや難しくなる」と口にしています。

こうした経緯もあり、総理の発言をアピールし、“都構想”の追い風にしたい狙いもあったと思われます。

■「高く評価」は総裁の言葉 

【関西テレビ行政担当・加藤さゆり記者】

大阪の自民関係者はこう語っています。

「今回の騒動は痛み分けじゃないか」

大阪府域で住民投票を行うことはこれで叶わなくなりましたので、維新側からすると、“都構想”実現に向けてかなり痛手です。

逆に自民党側にとっては、「“都構想”を含めた“副首都構想”を高く評価」というのは総裁の言葉ですから、これ以上、副首都法案に異論を唱えることもできないわけです。

そういう意味では両者にとっては少し痛み分けということで、今後粛々と法案を提出し、審査に入っていくことになります。

(関西テレビ「newsランナー」 2026年6月24日放送)

関西テレビ
関西テレビ

滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。