岩手県北地域を中心に発生した5月の霜が、農作物に大きな打撃を与えています。
特に、ワインが特産の葛巻町では原料となるヤマブドウの枝が枯れ、生産者から「災害級の被害」と悲鳴が上がっています。
井上智晶アナウンサー
「こちらのヤマブドウ畑、6月は本来緑に覆われているはずなんですが、ご覧のように葉っぱがない状態となっています」
深刻な光景が広がっているのは、葛巻町にある岩手くずまきワインの農園です。
ヤマブドウ畑、約2.6haでは例年5・6tの収穫が見込めますが、2026年は霜の被害で見通しが立っていません。
岩手くずまきワイン製造部原料課 松澤健吾さん
「今の時期であれば全部青々とした葉っぱが茂ってる状態だが、今こういう状態では全くない。“災害級”と言ってもいいレベル」
被害の原因は、5月23日の気象条件にあります。
葛巻町ではー3.5℃まで下がり、ヤマブドウの葉が凍結、さらに強い霜が重なったことで、被害が広がったとみられています。
町全体の山ブドウの生産量は例年20t前後ですが、2026年は過去10年で最低だった3tを下回る懸念が強まっています。
松澤健吾さんは「今年は町内全域が被害に遭って(過去10年で最低の)令和5年度より被害が大きい」と話す。
こちらの畑では、新しい葉が芽吹き始めています。
しかし、生産者からは「今年は実がならない」という声が上がっています。
葛巻町特用林産物振興組合 荒谷重理事
「本来はこれ(実)が受粉すると大きくなってる時期、最もタイミングが悪い時期でもう全滅。結実しないだから収穫は見込めない」
生産者は収入が途絶えるだけでなく、2027年以降の栽培へ向け経費がかかります。
荒谷理事からは「今年採れなくてもある程度管理しないと、薬剤散布であったり剪定であったり『これでもう辞める』という声もなくはないので、町からの支援があれば『じゃあもう一回頑張ろうか』となる」などの声が聞かれました。
岩手くずまきワインでは、近くの市町村からヤマブドウの入荷を見込んでいるほか、2025年、豊作だったブドウがあるため当面の製造は継続できる見通しです。
岩手くずまきワイン 漆真下満専務
「当社と町と生産者と皆さん一緒になって、この困難を乗り越えながらヤマブドウ事業を将来につなげたい」
葛巻町はワイン工場と連携し、生産者にどんな支援ができるかを検討する方針を示しています。
