歴史的円安で国産牛肉も高騰。
その余波で今、乳牛の争奪戦が起きています。

食欲をそそる音を立てて焼き上げられるハンバーグ。
東京・下北沢にある店「カブトシモキタ」の人気メニューは、アツアツの鉄板で仕上げた焼き立てのハンバーグを積み重ねた、大迫力のハンバーグタワーです。

目の前に積まれたボリューム満点の肉の塔に、女性客にも笑顔がこぼれます。

肉汁があふれ、かむごとに肉のうまみが広がるハンバーグ。
使っている牛の赤身肉にこだわりが。

カブトシモキタ 店長・井上優さん:
大半を占めているのは乳牛。出産経験のあるメスの牛をそのまま食肉として使っている。肉の赤身がほぼ(全て)なので、お肉の深みが感じられる。

牛乳を出す役目を終えた乳牛を食肉として出荷した、乳用牛肉。
特徴は赤身が多く比較的安いことでしたが、今、価格が高騰しているといいます。

スーパーの牛肉売り場を取材すると、さまざまな乳用牛が「国産牛」と表示され販売されていました。

スーパーセルシオ和田町店・鶴田聡部長:
こちら、国産牛と表記されているのがホルスタイン、乳牛の売り場になります。

国内で生産される国産牛の中で、「乳用牛」と「乳用牛と和牛を掛け合わせた交雑牛」を合わせると、約47%を占めます。

割安感と赤身肉人気を追い風に注目された乳用牛ですが、今、ビーフショックのあおりを受けていました。

スーパーセルシオ和田町店・鶴田聡部長:
もう全体的に相場が高くなっている。円安で輸入牛が高くなったのが一番の要因。その輸入牛の代わりにというところで今、(乳牛の)値段が上がっている事実がある。

歴史的な円安に加え、干ばつの影響で輸入牛肉が高騰。
そのあおりを受け、国産牛の需要が高まり、この店では2025年に100グラム179円だった乳用牛のすね肉が今は259円と、4割以上も値上がりしていました。

スーパーセルシオ和田町店の鶴田部長は「この品種(乳牛)がここまで値段が上がるのは今まで初めて」と話します。

千葉県で約50頭の牛を飼育する牧場を取材すると、以前は1頭当たり15万円から25万円だった乳牛の取引価格が高騰し、現在は2倍以上の高値に。

西岡牧場・西岡俊雄代表:
(現在は1頭あたり)40万~45万円ぐらいになるのかな。今までにないくらい高いことは確か。

ところが牧場では、円安の影響で乳牛の飼育コストの上昇が深刻化し、厳しい経営状況が続いているといいます。

西岡牧場・西岡俊雄代表:
円安でとにかくエサ代がめちゃくちゃ高い。中身の濃い餌、トウモロコシや大豆は、ほぼほぼ外国から来てるし今、本当に耐え忍んでる感じ。

ビーフショックの嵐が吹き荒れる中、どこに行けばお得に牛肉が買えるのか。
取材班が向かったのは東京・江戸川区の精肉店です。

乳用牛のロースステーキなど、特価の国産牛がずらりと並ぶのは、大阪を拠点に店舗を展開し、2年前に東京初進出を果たした肉の専門店「肉工房千里屋 西葛西場外市場店」です。

さらに、迫る29日の肉の日には特別なセールが。

店内で揚げる、できたてホヤホヤのお肉屋さんのビーフコロッケ。
普段の価格は1個75円ですが、肉の日は1000個限定で税込み31円の激安価格に。

24日、コロッケをまとめ買いしていた6人家族のお母さんは「(肉の日は税込み31円)知らなかったです。助かりますね、量もたくさん必要なので」と話していました。

店によると、肉の日は1000個のコロッケが午前中で売り切れることもあるということです。