北海道江別市の公園で2024年、男子大学生が集団暴行を受けて死亡し現金などが奪われた事件の裁判員裁判が6月19日、札幌地裁で開かれた。
強盗致死罪などに問われている当時16歳の少年に対し、検察は懲役10年以上15年以下の不定期刑を求刑した。
■長谷さんは全身の血液量の20~30%を失い、外傷性ショックで死亡
この事件は、当時16歳の少年と川村葉音被告(21)、滝沢海裕被告(当時18)の男女3人が、江別市の公園で大学生の長谷知哉さん(当時20)を、長谷さんの交際相手だった八木原亜麻被告(21)ら別の男女3人と共謀し、集団暴行を加えて死亡させ、現金などを奪ったとして起訴されたものだ。
これまでの裁判で、長谷さんの遺体を司法解剖した医師は「被害者は頭部と顔面の全体にわたって出血していて、数十回以上顔面に打撃を受けたと考えられる」と証言した。
長谷さんは全身の血液量の20~30%を失い、外傷性ショックで死亡した。
検察「犯行時16歳で、相当に長期間の矯正教育が必要」
検察側は、被告である当時16歳の少年について、暴行の主犯格とされる川口侑斗被告(当時18)による長谷さんへの暴行が始まった後も、暴行を止めることなく「普通に笑いが止まらない」などと被害者を嘲笑し、暴行に同調したと指摘。
また少年本人も、自身のサンダルに血が付いたことに腹を立て、長谷さんの腹部を蹴るなど、責任が軽微とは言えないと主張した。
その上で検察は「自ら犯行に加担していて、責任は軽微とは言えないが、犯行を主導したとまでは言えない。犯行時16歳で、相当に長期間の矯正教育が必要」などと述べ、懲役10年以上15年以下の不定期刑を求刑した。
■弁護側「血が付いたことに憤慨して蹴りを入れたのみ」などと主張
一方、弁護側は「血が付いたことに憤慨して蹴りを入れたのみ」「ほかの暴行は川口被告に指示されてやったもの」「最年少で従属的な地位」などと主張し、懲役5年以上10年以下の不定期刑が相当とした。
また弁護側は「周囲に判断を委ねる傾向がある」とし、生育環境などから「格上と判断した人物には反抗することなく従う傾向がある」と指摘した。
被告である少年は公判で「大切な家族の命を奪ってしまい申し訳ございませんでした」と謝罪の言葉を述べた。
■「弟を見殺しにして食べたラーメンは美味しかったですか」被害者の姉は法廷で…
19日の裁判では、被害者の姉が意見陳述を行い「法律の許す最大限の刑に処していただきたい」「弟を見殺しにして食べたラーメンは美味しかったですか」などと訴えた。
これまでの裁判で、検察側は川村被告に無期懲役、滝沢被告に懲役20年を求刑している。
注目の判決は6月25日に言い渡される予定だ。
