原子力規制委員会の山中伸介委員長は6月18日、福島第一原子力発電所を訪れ、廃炉作業については「順調に進んでいると思っている」と総括した。

燃料デブリの大規模取出しが計画される3号機では、原子炉建屋の内部を視察。主に3号機の原子炉建屋2階を確認し、壁面や床面から試料を採取した。委員長は「1、2、3号炉の核分裂生成物が異なるということが結果として出ているので、その結果が一般的なものかどうかを確かめたい」などと話した。
採取した試料は、原子力規制委員会での分析に半年程度かかるとしているが「貴重なサンプルが得られた」としている。

また、2号機では、6月2日に始まった燃料プールからの核燃料の取出しについて遠隔操作室の状況を確認。「しっかりと訓練されて作業が進められていると理解した」とした。
福島第一原発2号機の使用済み燃料プールには、これまで使用済みの核燃料587体と未使用の燃料28体の計615体の燃料が保管されていたが、6月2日からこれを取出し、建屋の外にある「共用プール」に移動させる作業が始まった。作業上の中断をはさみながら、2028年度中には2号機の燃料プールにあるすべての核燃料の取出しを完了させる見通しとなっている。

また2号機では、3回目となる燃料デブリの採取の準備も進められている。
これまで2回の採取では、比較的狭い場所を通ることができる“釣り竿型”のロボットを使用して計0.9gほどの燃料デブリが取り出され、原発構外の研究機関での分析が進められているが、3回目の採取は、約78億円をかけて製作した大型の“ロボットアーム”を使用することになっている。
山中委員長は、このロボットアームについて東京電力から「精度良くコントロールできるようになったという紹介があった」としたうえで、「機会があれば2号炉の中に入って現物を確かめたい」と話した。


福島第一原発で進む廃炉作業全体については「比較的この数年、大きなトラブルなく順調に作業が進んでいると思っている」と評価。「(燃料デブリの)大規模取出しはまだ先だと思っているが、建屋周辺の環境整備等がしっかりと進められていて、高レベルの廃棄物の保管も着実に進んでいる」と総括した。
一方でこれまでに発生した作業員の汚染事案に触れ、「作業を安全に進めるのが根本」としたうえで、基礎的な安全対策を徹底するよう強調した。


福島第一原発の廃炉・汚染水対策最高責任者である東京電力の小野明プレジデントは、山中委員長と意見交換し、2号機使用済み燃料プールからの核燃料の取出しについては「今のところは我々の計画通りに行っているかと思うが、何があるか分からないので、安全第一で、何かあれば立ち止まるといったことを心掛けていきたい」。燃料デブリの採取に向けても、「ある意味、この次のステップにちゃんと進んでいいのかをしっかり見極めながらやってまいりたい」と慎重な姿勢を示し、「そういう観点でも助言・指摘をいただきたい」とした。

福島テレビ
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