美しい海を舞台に海水浴やシーカヤックを楽しむことができる静岡県下田市。その下田市ではいま、海を子供たちの学びの場にしてもらおうという取り組みが進められています。
下田市で始まった新たな海洋学習プロジェクト、その名も“カリブの学港”。
目指しているのは子供たちが海に触れ、観察し、考えること。
楽しいだけで終わらない“本物”の体験学習です。
カリブの学港を企画したのは、タレントであり、魚類の研究者として知られる鈴木香里武さん。
そこには自身の原体験がありました。
カリブの学港・鈴木香里武 港長:
幼少期に下田の海で遊んで、そこで幼魚のおもしろさやすばらしさを教えてもらったという思い出がある。だからシンプルに子供たちと一緒にすばらしい海を体験して、魚の世界に触れて興味を持ってもらえたら(いい)。そういう学港をやるのであれば、やっぱり下田だなと。思い出深いこの地で開催することにした
香里武さんの父:
私が魚好きで、昔から一緒に岸壁連れて行き、一緒に活動していた。赤ちゃんの時から。それで無意識のうちに海の魚が好きになるのは必然だったのではないか
香里武さんは自分がそうであったように、子供たちが海を通じて魚を好きになる“入り口”を作ってあげたいと考えています。
この日のテーマは岸壁採取。
子供たちは網を手に、海の生き物を探します。
カリブの学港・鈴木香里武 港長:
いま潮が満ちてきていると思うので、湾内に外から海水が入ってくる。それに乗って幼魚たちも入ってくるのでベストコンディション
採取した生き物は香里武さんが特徴や生息域などを紹介。
カリブの学港・鈴木香里武 港長:
これはハゼの仲間。ハゼの仲間のたぶん“ウキゴリ”という種類
参加者:
ウキゴリの(生息域は)淡水では?
カリブの学港・鈴木香里武 港長:
川の影響でウキゴリやスミウキゴリがきのうも出た
参加者:
汽水域ということ?
カリブの学港・鈴木香里武 港長:
たぶん流れてくるのだと思う
みんなで観察を楽しみます。
参加者:
楽しいです。なにか取れるか、取れないか、“野生”の金魚すくいという感じ
参加者:
いろいろな魚も見られたし、何より自分で取るのが楽しい
参加者:
普通のエビよりも小さくてかわいい
保護者:
なかなか都内では体験ができない貴重な時間で、自然の中でリアルに体験しながらその場で教えてもらえるのがものすごく貴重な時間
そして、採取した生き物は水槽へと移し、さらに観察。
カリブの学港・鈴木香里武 港長:
赤ちゃんの頃と大きくなった時とではあんなに見た目が違う。どうやって同じ種類なのか判別するかというと、ヒレの形とヒレの筋の数を数えることが大事になってくる
カリブの学港では図鑑や画面ではなく本物の生き物と向き合うことで、観察力を養うと共に子供自身が自発的に学びを深めることを大切にしているからです。
カリブの学港・森田太郎 舟長:
大人が教えることによる“教わる喜び”よりも、子供は“自分で発見する喜び”の方がずっとうれしいし、ずっと記憶に残るし忘れない。だから教わって勉強して記憶することよりも、“自分が発見した”。あたかも“自分が人類史上初めての新発見をした”という喜びを持っていた方が印象に残るし、それが一番大事な子どもの学びの最初のきっかけになるのではないかと思っている
5月24日にはニザダイやイスズミといった普段あまり食卓に並ぶことのない、いわゆる“未利用魚”を使った講座も行われました。
これまで知らなかった魚を食べることで知っている魚へと変わり、海への興味が広がるからです。
参加者:
1番と3番は結構身が柔らかい
参加者:
おいしいが、何かはわからない
さらに、魚に直接触れながら干物づくりにも挑戦。
漁業や食文化を肌で感じました。
参加者:
魚を開くところが楽しかった
参加者:
ヤガラの干物なんて一生このまま作らないと思うから、体験できてうれしかった
魚を好きになることで海への興味を持ち、地域の自然を知る。
カリブの学港を通じて、自身が愛する下田の海を子供たちと一緒に未来へとつないでいくことが香里武さんの願いです。
カリブの学港・鈴木香里武 港長:
我々日本人は魚に親しんでいると思っているが、魚屋さんで見かけるものや寿司屋さんで見かけるものはせいぜい20種類くらいだと思う。でも日本近海だけで4000種類くらいの魚がいると言われているので、まだ知らない魚、出会ってない魚の方がはるかに多い。幼魚は特にそうだが、意外とふと目を向けると目の前の海や足元の海に未知の出会いがあるので、まずは身近なところから海のワンダーを探求していく。それがカリブの学港の目指すところ
