まもなく本格化する梅雨。この時期に改めて注意したいのが「カビ」です。
対策をしても繰り返し現れるカビは、私たちの健康にも深刻な影響を及ぼす恐れがあります。場合によっては命に関わる病気を招くこともあるといいます。
身近に潜むカビの脅威と、プロが教える具体的な対策を徹底取材しました。
■スマホもカビに注意が必要
大阪市立自然史博物館の浜田信夫研究員によると、身近な持ち物にもカビが潜んでいる恐れがあるといいます。
特に注意が必要なのはスマートフォンのケースです。スマートフォンとケースの間からカビが検出されるケースがあり、浜田研究員の調べによると、その割合はおよそ41%にのぼるといいます。お風呂など湿度の高い場所にスマートフォンを持ち込む習慣がある人は要注意です。
また、水筒のふたも見落とされがちなカビの温床です。保温性が高く水分が多い環境のため、カビが繁殖しやすく、そのまま飲んでしまうことで健康被害につながる恐れもあるといいます。傘も同様で、折り畳まずに放置することでカビが生えやすくなります。
靴箱に乾燥剤を入れておくことや、エアコンのクリーニングを定期的に行うことも、カビ対策として有効だとされています。
■「梅雨はじとじとしとる」カビ対策に追われる人々
カビの除去歴15年以上、カビ取りのプロ・黒松修代表に話を聞きました。
案内してくれたのは、黒松さんの息子の家。プロの息子の家ならさぞきれいなはず…。しかし現実は厳しく、息子の妻は「お風呂がどうしても、掃除してても、カビが色んな所に生えてしまう。子供もいるので気になる」と打ち明けました。
黒松代表がまず指摘したのは窓ガラスです。
「ガラスが結露してほこりがたまって、結露の水分でカビが生えるというのが一般の家庭で一番多いパターン」と言います。結露によって水滴が垂れると、床にまでカビが広がることもあるそうです。
■「今は通年でカビが生えた、という相談が増えている」
カビの三大要素は「水」「温度」「エサ」。ほこりがカビのエサになるため、掃除によってエサを取り除くことがカビ予防に直結するといいます。
さらに黒松代表は、ここ数年の気候変動がカビにとって好都合な環境をつくり出していると指摘します。
【カビ取りプロ 黒松修代表】「高温多湿になってきているので、カビの生える時期が以前よりも広がってきている。基本的には26度以上がカビの発育しやすい温度。今は通年でカビが生えたという相談は増えてきています」
梅雨だけの問題ではなくなりつつある、ということです。
■やってしまいがちな「NG行為」 こすると逆効果
特にカビの温床となりやすいのがお風呂です。排水溝や浴槽のふちにびっしりと黒いカビが広がっているケースも珍しくありません。
黒松代表によると、薬剤を塗った後に多くの人が「こすってしまう」のは実はNG行為だといいます。
【カビ取りプロ 黒松修代表】「汚れに見えるので取ろうとして強くこすってしまう。ブラシによってゴムの部分に傷をつけてしまうことがある。傷にほこりがたまり、カビが再発しやすくなる」
では、どうすればいいのでしょうか。
プロが勧めるのは「キッチンペーパー」を使う方法です。カビが残っているところにキッチンペーパーを当て、そこに薬剤を塗り込みます。
「ゴムの部分に傷もつかないですし、薬剤もカビに対して効果を発揮できる方法」だといいます。5分を目安にしみ込ませ、2〜3回続けるときれいになるそうです。
■お湯で流す、換気ボタンを使う お風呂のカビ予防2つのポイント
カビ対策としてもう1つ、入浴後のひと手間が重要です。
シャワーで浴室を流すことはカビ対策になりますが、このとき冷たい水ではなく「熱いお湯」を使うことが大切です。
【カビ取りプロ 黒松修代表】「45度ぐらいがおすすめ。泡が飛んだぐらいまでの高さを流す。皮脂分や洗剤分は、泡が残っていなくてもうっすら残っている場合がある。それを流してカビのエサを少なくする」
換気についても、注意が必要です。
浴室の換気扇には「乾燥」と「換気」のボタンがある機種が多いですが、黒松代表は「乾燥は洗濯物を乾燥させるために温度を上げるので、逆にカビが生えやすくなる。必ず換気のボタンを使って、お風呂の水分をなくしてあげることが大切」と強調しました。
■「通年対策」が求められる時代へ
かつて梅雨の時期だけの問題と思われていたカビは、気候変動の影響を受け、今や一年を通じた課題になりつつあります。
専門家は「26度以上でカビが発育しやすい」と指摘しており、近年の気温上昇がカビの繁殖期間をさらに長引かせるリスクがあります。
身近に潜むカビのリスクを正しく理解し、この梅雨を機に対策を見直してみることが求められています。
(関西テレビ「newsランナー」2026年6月17日放送)
