17日午前9時半ごろ、北海道・釧路地裁前を歩くのは、4年前、北海道知床沖で沈没事故を起こした遊覧船「KAZU I」の運航会社社長・桂田精一被告(62)です。
業務上過失致死の罪に問われている裁判で桂田被告に言い渡されたのは禁錮5年の実刑判決でした。
事故は2022年4月、オホーツク海から世界自然遺産・知床の雄大な風景などが楽しめるツアーで起きました。
悪天候が予想される中、出航した遊覧船「KAZU I」は約3時間後に沈没。
大規模な捜索が行われ、乗客・乗員20人が死亡、現在も6人の行方が分かっていません。
事故発生から4日後、運航会社の社長だった桂田被告は会見で謝罪します。
桂田精一被告(2022年4月27日):
このたびはお騒がせしまして、大変申し訳ございませんでした。
土下座を3度繰り返したこの会見で、桂田被告は「海が荒れた場合には引き返す条件付き運航だった」などと説明。
しかし安全管理上、悪天候の中で「条件付き運航」という判断はあり得ないなどと批判が相次いだのです。
事故から2年後の2024年10月、桂田被告は業務上過失致死の罪で起訴。
裁判の最大の争点は、船に乗っていなかった桂田被告が事故が起きる危険性を認識していたのかどうかです。
これまでの裁判で桂田被告側は無罪を主張。
一方、検察側は禁錮5年を求刑していました。
そして迎えた17日、桂田被告に対し裁判長は「安全に対する意識の希薄さや運航管理者としての自覚の低さがうかがえる。反省や謝罪の弁を述べているが、内容や態度を見ても、事故の結果を真摯に受け止めているようには見受けられない」などと指摘。
そして、「悪天候の中、出航させることは沈没などの事故を予見することができ、被告には過失がある」として、求刑どおり禁錮5年の実刑判決を言い渡したのです。
裁判終了後、被害者の家族らが取材に応じ、現在の心境を明かしました。
事故で死亡した鈴木智也さんの親友:
亡くなった親友の気持ちを考えると、納得のいく結果ではなかった。本人は命と引き換えに天国に行ったのに、桂田被告は(刑が確定しても)5年で生活に戻れると思うと憤りが湧く。
行方不明となっている小柳宝大さんの父親:
上限いっぱいの判決が下ったなという安堵(あんど)感と、なんか5年というのは短すぎるなと、そういう悲しい気持ちの両面をもった。
一方、桂田被告も「(事故により)多くの乗客の方、船員が亡くなられたこと、また依然として行方不明の方々もおられることについては、法人代表者としてこれからも謝罪と償いを続けていく所存です」とコメントを発表しました。
判決後、弁護側が即日控訴したことが判明。
裁判は今後も続くことになります。
