北海道・函館市のスルメイカ漁が6月1日、解禁された。
2025年は漁獲枠の問題で一時「禁漁」となったが、2026年は中東情勢の悪化が漁師を悩ませている。
函館のスルメイカ漁が6月1日解禁
朝早くから出漁の準備を行うイカ漁師。函館のスルメイカ漁が1日、解禁された。

「去年(の異常事態)が頭にある。だから半信半疑。油高いしね」
「もちろん期待して行くつもりではいるんだけどさ、どうなのかなって。函館はイカの街だからさ、少しでも取れてくれたらありがたい」(いずれもイカ漁師)
「今、イカ釣り漁船が大漁を求めて沖合に出漁しました」(阿部空知記者)
2025年は異常事態「漁獲量ゼロ」も…史上初めて初競り中止
漁に出たのは15隻のうち9隻だ。2日、初競りが行われるが、2025年はこれまでになかった異常事態でシーズンが始まった。

「わたし(漁獲量)ゼロ。こんなの初めて」
「全然(イカが)いなかった」(いずれもイカ漁師)
「この船で取れたイカはたったの4匹。大きさも小ぶりです」(熊坂友紀子記者)
2025年の初日は半数以上の船が漁獲量ゼロで、史上初めて初競りが中止。
水揚げは回復するが“漁獲枠”が上回り 漁が中止に
その後、水揚げは回復するが、今度は取れすぎで漁が中止になった。

「こんなことあっていいの。『あしたから給料出ない』ってなったらどうする」(イカ漁師)
「大企業の水産会社か船会社が生き残れる制度、個人の漁師殺してる」(函館市漁業協同組合 滝川久市代表理事組合長)
漁の中止は水産庁が定めた漁獲枠を上回ったためだ。

約3週間後に漁は再開されたが、最盛期にイカが揚がらず観光にも影響が出た。
水産庁は2026年度、小型船によるスルメイカの漁獲枠を2025年度の3倍に相当する1万5000トンに設定している。
漁獲枠拡大も新たな問題が―
4月、函館市の造船会社ではイカ釣り漁船の整備が行われていた。
漁獲枠は大幅に拡大されたが、2026年も新たな問題が…。

「ペンキも倍近く値上がりしてしまって、前までは4キロで10000円だったんですけど今は20000円くらいします。経費ばっかりかかって大変です」(漁師)
中東情勢の悪化で漁船の整備費用が上昇
中東情勢の悪化による原油高などのため、ナフサを原料とするペンキやシンナーの価格が一気に上がってしまった。

「ペンキで例年の150パーセント、シンナーで200パーセントですね。材料は高騰していますが入ってきません」(函館造船 陰山琢司社長)
この会社では7月中旬ごろまでの在庫は確保しているが、その後の状況は見通せないという。

小型のイカ釣り漁船に使うペンキは業務用の缶で8本ほど。
費用は約15万円で例年の倍に跳ね上がった。
そもそも燃料代の高騰が続いている中での追い打ちだ。
大漁祈願祭ではコスト増への不安の声
大漁を願う祈願祭で聞かれたのは、コストが増え続けることへの不安だった。

「去年TAC(漁獲枠)で騒いだけど、TAC以上でしょ。燃料で2割高、それだけで大変だ」(イカ漁師)
函館水産試験場が5月に行ったスルメイカの分布調査では1匹も釣れなかった。
2001年の調査開始以来、初めてのことだ。
そして函館の市場関係者によると、6月1日、函館漁港から出漁した9隻は漁獲量がほぼゼロだということだ。
