大分県内で初めてとなる夜間中学、県立学びヶ丘中学校が4月21日に開校し、約1か月が経った。

様々な世代や国籍の人が通う夜間中学で、学び直しに喜びを感じる生徒の思いなどを取材した。

和やかな雰囲気の中で給食を食べる生徒や教師

開校から1か月を迎えた大分市上野丘の「学びヶ丘中学校」。一日の学校生活は夕方から始まる。

この日もまず、生徒と教師が食堂に集まり、給食を食べていた。
生徒からは「給食おいしい。いつもおいしい」と喜びの感想が聞かれた。

給食の後、授業がスタートする。生徒たちは通常の中学校と同じ9教科を学ぶ。

学びヶ丘中学校
学びヶ丘中学校
この記事の画像(5枚)

「誰一人取り残さないように」教室では複数の教師が対応

40分の授業が1日4回で、教室には複数の教師がついて対応。

夜間中学にはさまざまな理由で、十分な義務教育を受けられなかった人たちが通っていることから、それぞれの学力に合わせたサポートをするためである。

開校にあたって集められた経験豊富な教師たちはこの1か月、「誰一人取り残さないように」と日々、熱心な指導を心掛けてきた。


山川明宏校長は「学びの状況は一人一人違うので、その方々に合わせた授業を可能な限りしていこうとしている。個別に対応するところが先生にとっては大変かなと。ただ、生徒たちはやる気を持って、臨んでくれているので大変うれしい」と述べた。

学びヶ丘中学校
学びヶ丘中学校

76歳で夜間中学へ挑戦 感じる“学ぶ喜び”

1期生として入学したのは37人。このうちの8人が外国にルーツを持っている。

また、ここで学び直す生徒たちの中には高齢者の姿も。その1人、大分市に住む首藤義久さん76歳。


首藤さんは佐伯市宇目の出身で7人きょうだいの3男として生まれた。
実家は農家で、貧しい家庭だったという。

首藤さんは自身の子供の頃のことを次のように話してくれた。
「とにかく明治かたぎの父親だったので、『きょう学校に行くことはならん』その一言だけ。家が貧乏だということは認識していた。夜中の11時、12時とか勉強していると、親がトイレに起きて 灯りがついているとブチっと切るわけです。多分(電気代が)100円高くなったらまずいということで、親の懐具合からしたら『勉強することはならん』の一言だった」

夜間中学の生徒・首藤義久さん
夜間中学の生徒・首藤義久さん

「学び直せるんだということを広めたい」

農作業の手伝いで、満足に学校に通うことができなかったという。

そのことがずっと心残りだった首藤さんに訪れた学び直しの機会。

県内で初めての夜間中学ができると知り、挑戦を決めた。

入学してからのこの1か月、首藤さんは充実した日々を送れているそうで「一言で言うと非常に楽しい中学校生活。学び直せるんだということを広めたい。後輩をどんどん増やしたい。我々は1期生だから」と語った。

開校から1か月、夜間中学にあふれていた喜び。生徒たちの充実した表情が何よりも学びの楽しさを物語っている。

学びヶ丘中学校
学びヶ丘中学校
テレビ大分
テレビ大分

大分の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。