長野市で140年以上続く老舗菓子店が5月1日、篠ノ井駅前にカフェをオープンさせました。生まれ育った地元をもっと元気にしたい。かつての人気商品も復活させ、5代目店主の新たな挑戦が始まりました。
■駅前に「新たなカフェ」オープン
アツアツの「そば」に、あんこがたっぷりのった「あんみつ」も。
5月1日、長野市の篠ノ井駅前に新しくオープンした「千歳屋本店 駅前カフェ店」です。
2025年4月に閉店した焼き鳥店を改装し、そばなどの食事メニューや甘味、和菓子などを提供しています。
千歳屋本店 駅前カフェ店・水野一平さん:
「『あんみつ』も寒天の部分は和三盆糖で煮てるんですよ。だから甘みがすごく早く引くようになってて」
店主は、長野市篠ノ井出身の水野一平さん(47)です。
水野一平さん:
「篠ノ井は大好きな街なので、盛り上げたいという気持ちはありますね。誰もが気軽にお茶とおそばを頼んだり、ちょっと一杯飲んで帰れるような、そんな雰囲気のあるお店になれればいい」
■店主は、140年続く老舗の5代目
水野さんの店は他にも。
水野さんは、長野市川中島町の菓子店「千歳屋本店」の5代目です。
1883(明治16)年創業、140年以上の歴史を持つ老舗で、5代目就任を機に2025年、店をリニューアルしました。
また新たな商品も開発。
どら焼きの皮に「ピスタチオ」や「塩キャラメル味」などのバタークリームをたっぷりはさんだ「千歳サンド」を考案。
全国から注文が入る店の看板商品になりました。
洋菓子も和菓子も取りそろえた人気の店が、なぜカフェを始めたのか―
■30年ぶりに復活“どりこの焼き”
水野一平さん:
「『どりこの焼き』を復活させたい、やりたいなと思っていて、(店舗を)探し回った挙句、篠ノ井の一番、玄関口が空いたのでここでやろうと」
出店のきっかけになったのが、「どりこの焼き」です。
小麦粉の生地にあんこを入れて焼いたいわゆる「今川焼き」で、「どりこの焼き」という名前は、長野市の一部店舗の呼び方だそうです。
水野一平さん:
「祖父の代にこれを田んぼの時期だけ売ってたんですよ、田植えの季節だけ。少しでも人が集まってもらえるものをやろうと」
生地を焼くガス台は祖父の時代のもの。
「どりこの焼き」は、今から30年以上前の店の人気商品でしたが、1991年に現在の場所へ移転した際、道具を置く場所がないなどの理由で、作られなくなったそうです。
今は、市内でも提供する店が減ったことから、「新しい店の名物に」と考え、復活させました。
■駅前の幅広い客に「本店」の魅力を
市内から(30代):
「皮がやわらかくておいしかったです」
市内から(60代):
「サクサクしていて食べやすくておいしかった。全然聞かなくなっちゃったから、うれしいです。再現していただいて」
(記者リポート):
「生地はサクサクで軽いです、あんこもなめらかな口当たりでとてもおいしいです」
店では、「どりこの焼き」のほか、千歳サンドや柏餅など、「本店」の人気メニューも販売し、相乗効果を狙っています。
水野一平さん:
「駅前店にはいろんな人がたくさん来ると思うんですよ、客層が広く。『こういうお菓子あるんだ』と知ってもらえるきっかけになると思った」
■かつての駅そばを意識したメニュー
店の売りは、お菓子だけではありません。
「料理が趣味」という水野さんが腕をふるう食事メニューも豊富です。
看板メニューは、牛スジでとっただしと、カツオだしを合わせた「千歳そば」。
煮込んだ牛スジものせています。
かつて篠ノ井駅にもあった「駅そば」を意識し、提供する「スピード」にもこだわっています。
客:
「牛スジのだしがきいてる」
■高校生応援!200円引きメニューも
地元の高校生を意識したメニューも。
卵で包んだごはんに、手作りのデミグラスソースをかけた「デミ卵ライス」は、ボリュームがあり、高校生までは200円引きです。
水野一平さん:
「高校が3校もあるのに、どこも寄るところがないというのが、この辺の高校生の悩みらしいので、(満足する)そういったものを提供できるように」
菓子店の強みを生かし、「あんみつ」には、千歳屋特製のあんこがたっぷりのっています。
客:
「あんこは甘すぎず、黒蜜とも相性がよくて食べやすかった」
「(駅前に)カフェは最近ぽつぽつできてきてるが、こういう甘味処はないので、食事もできるし、甘いものもいただけるのですごくいい」
■夜は、仕事帰りの「お好み焼き」
夜になると―
今度は、仕事帰りのサラリーマンなどがターゲットに。
午後5時からは、酒を提供するほか、食事メニューに「お好み焼き」や「ねぎ焼き」など、ボリュームのあるメニューが加わります。
お好み焼きは、青のりやかつお節はつけず、ソースのみの味付けです。
客:
「大阪のイメージで(食べた)」
水野一平さん:
「またそれとは違いますよね」
客:
「中がフワフワですごくおいしいです。これはヘルシーかもしれないですね。割合としてはキャベツの方が多いので」
水野一平さん:
「僕もこれ食べて13キロやせたので(笑)」
店の営業時間は、午前10時から午後10時まで。
■目指すは“篠ノ井のランドマーク”
最近は、新しい店の出店が相次ぎ、活気を取り戻しつつある篠ノ井駅前。
生まれ育った地元をもっと元気にしたい。
老舗菓子店の新たな挑戦が始まりました。
千歳屋本店 駅前カフェ店・水野一平さん:
「僕はおいしいと言っていただくのが好きなので、何よりも。(本店は)『こないだこれ買って食べておいしかったよ』って回答じゃないですか。ここだと、『どうぞ』『おいしいです』と(直に感想を)言われた方が気持ちいい(笑)。駅前の一番良い所に構えちゃったので、篠ノ井の顔になれるような、ランドマークのような存在になりたい」