5月6日磐越自動車道で発生した北越高校の生徒など合わせて21人が死傷したマイクロバスの事故で、警察は運転手を近く過失運転致死傷の疑いで逮捕する方針を固めた。一方、男子生徒の遺族が報道機関に向け、「深い悲しみの中にいる」とコメントを発表した。
■「曲がり切れなかった」
この事故は6日午前7時半ごろ、福島県の磐越道・上り線で男子高校生など乗せたマイクロバスがガードレールとクッションドラムに衝突。
その衝撃で折れ曲がったガードレールに後続車が追突し、合わせて21人が死傷した。
バスには北越高校男子ソフトテニス部の部員20人が乗り、福島県富岡町での練習試合に向かっていたところで、死亡した稲垣尋斗さん(17)はマイクロバスの後ろの窓から車外に投げ出されたとみられている。
現場に目立ったブレーキ痕はなく、胎内市に住む無職の男性運転手(68)は警察に対し「曲がり切れなかった」などと話しているという。
警察は近く、男性運転手を過失運転致死傷の疑いで逮捕する方針を固めた。警察は逮捕状を請求していて、回復を待って逮捕する方針だ。

■「危険な運転するイメージない」
運転手の自宅近くに住む人は「多分マイクロバスとか運転していたと思うので、初めて運転するとか、慣れていないとかはなかったのではないかと思う。だから、今回の事故はびっくりした」と話す。
男性運転手はかつて胎内市の職員として市民の送迎や職員の視察の際にマイクロバスを運転していたという。
元胎内市役所職員は「私も何回か彼の運転するマイクロバスに乗ったことがあるが、特段、不安定だったり、危険な運転をする方というイメージはない」と話した。
■バスの手配・運転手の紹介依頼されたバス運行会社が会見
一方、今回のマイクロバスについて、北越高校は業者に依頼し借り上げたと説明している。バスを手配した五泉市の蒲原鉄道は6日夜、取材に応じた。
茂野一弘 社長は「レンタカーをというときは基本的にはうちでは受けない。ただ、営業担当が『いつもお世話になっているので、知り合いや知っている人がいれば紹介しましょうか』ということで受けたと」と説明。
今回は学校側から営業担当者に対し「費用を抑えるため、貸し切りバスではなくレンタカーを手配してほしい」と依頼を受け、レンタカー店からマイクロバスを借りる手配をしたと説明した。
さらに、運転手の紹介も依頼され、営業担当者が知人を介し、男性運転手に依頼したが、直接の面識はなかったという。
今回、会社はバスのレンタルにあたり手続きを行った営業担当者の免許証のみを提示。男性運転手のものは提示していなかった。
一方、バスの手配や運転手の紹介に対して、会社としては学校側から手数料などは受け取っていないと明かした。

■蒲原鉄道へ国交省による立ち入り調査
こうした中、7日朝、蒲原鉄道の会社では国土交通省の職員による立ち入り調査が行われた。
国交省職員は「ヒアリングという形。あくまでも事実確認でお邪魔した次第。今回の事故の経緯などということ」と話した。
■遺族「深い悲しみの中にいる」
男子生徒の遺族は報道機関に向けてコメントを発表した。
【遺族コメント】
私たち家族は、大切な存在である息子を今回の思いがけない出来事で失い、深い悲しみの中におります。そしてこの状況をまだ受け止めきれずにおります。
今は、1日も早く私たち家族や関係者の皆さまが穏やかな生活を取り戻せることを願うばかりです。
どうかこのような心情をご理解いただき、今後、家族や親族、地域の方々等に対する取材、撮影等についてはご遠慮いただきたいと思います。