まもなくやってくるゴールデンウィーク。観光地にとっては書き入れ時のはずですが、2026年は中東情勢の悪化に伴う原油高で様相は一変しています。人気観光地・熱海が抱える不安と対策とは?
熱海温泉の名所や旧跡をモチーフにしたカプセルトイ。
にぎわいの創出につながればと熱海商工会議所青年部が開発しました。
熱海商工会議所青年部・長澤光真 部会長:
熱海は一度きりではなく、帰って、見て思い返して、「また行きたい」「また集めたいね」という形で、二度・三度、もっと来てもらえるような思い出になれば良いと思う
伊豆半島の玄関口にして“東洋のモナコ”とも称される熱海。
かつては新婚旅行や社員旅行の聖地と言われ、1969年度には532万人もの宿泊客数を記録しましたが、その後、社会構造の変化や団体旅行の減少などにより観光客数が激減。
ただ、近年はスイーツの食べ歩きで注目を浴びるなどV字回復を遂げ、2025年度の宿泊客数は約320万人となっています。
しかし、昨今の物価高や原油高は観光客の行動にも影響を及ぼしているようで…
観光客:
お土産を家族などに結構買っていくけど、前よりは少なくなった
観光客:
食事代とかお土産代とか旅館の値段とか気になるよね。年金暮らしだから
こうした状況に頭を悩ませているのは宿泊施設も同じです。
熱海温泉ホテル旅館協同組合・森田金清 理事長:
原油高は旅館・ホテルで言えば重油、ビニール製品をはじめ素材、食材費すべて上がる要因となり、原材料の高騰につながる要因になるので、我々としては非常に危惧している
熱海と言えば温泉を楽しみにしている人も大勢いますが、風呂を沸かしたり、温泉を温めたりするためには重油が不可欠です。
また、アメニティなどの石油製品や食材も値上がりする中、宿泊料に転嫁させたいところですが、それにより宿泊客が大幅に減ってしまえば元も子もありません。
熱海温泉ホテル旅館協同組合・森田金清 理事長:
宿泊料金を下げて(宿泊客を多く取り込み)調整するやり方が一番やりにくい状況になっている。そうした意味では宿泊料を維持しながらお客様に喜んでもらえる、品質を高めていくというやり方しか今のところ見出せないと思う
一方、いわゆる“コスパ”や“タイパ”を重視する人も多い中、熱海の強みは何と言っても地理的優位性です。
熱海観光局・上田和佳 専務:
熱海は非常に首都圏から近いということもあって、今年のゴールデンウィークの傾向は「安・近・短」と言われているので、やや「安め」「近め」「短め」という傾向と聞いているので、その意味では熱海は選択肢に十二分に入っていると思う
そこで、熱海観光局が4月から始めたのが熱海ナイトベースです。
コンパクトな地形を生かして夜の回遊性を高めようという取り組みで、宿泊補助券などが当たるくじ引きやヨーヨー釣りができるミニ縁日を開催。
また、手持ち花火を宿泊客に格安で販売していて、購入した花火は熱海サンビーチで楽しむことができます。
熱海観光局・上田和佳 専務:
我々はやはり回遊性を高めて、滞在時間を少しでも延ばす政策をいま現在考えて打ち出しているので、滞在時間が長ければ消費額も比例して高くなるので、そこを中心に客の回遊性を高めることと滞在時間を長くすること、ここが最大のポイントだと思う
大手旅行代理店のJTBが公表した調査によれば、日並びの良さもあって国内旅行の旅行者数は前の年よりも増える見通しとなっている2026年のゴールデンウィーク。
勝機をつかむためには、地域の特色を前面に出すと共に旅行客の好みや志向を捉えたサービスや体験をいかに打ち出せるのかがポイントとなりそうです。