京都・南丹市で11歳の安達結希さんの遺体を遺棄した疑いで逮捕された父親が、殺害についても認めていることが分かりました。
元埼玉県警捜査1課・佐々木成三さんとこの事件について見ていきます。

警察が行方不明となった結希さんの捜索を続ける中で、死体遺棄の疑いで逮捕された父親の安達優季容疑者をめぐって、捜査関係者の中である違和感があったといいます。
その違和感について、詳しく見ていきます。

まず行方不明となった当日、3月23日に抱いた“違和感”です。

午前8時ごろ、父親が結希さんを車で学校に送迎したとみられています。
しかしその時、結希さんの姿や目撃情報はありませんでした。

そして午前8時半ごろ、担任の先生が出席をとった際、結希さんの姿はありませんでした。

その後、午前11時半ごろ、両親が校門に迎えに来ています。
そして下校時間の午前11時45分には、学校の担任の先生がこの日登校していなかったことを母親に連絡したといいます。

その際、安達容疑者の様子について、捜査関係者は違和感を覚えたということです。

捜査関係者によりますと、小学校側が結希さんの自宅に連絡した際、電話口で応対した安達容疑者だけは、なぜか結希さんが学校に来ていなかったことを知っていたかのような印象を受けたということです。

父親が車で送ったことが事実であれば、学校に来ていないことに対して驚くはずなのに、そういった反応がなかった様子だったということです。

榎並大二郎キャスター:
こうしたことから安達容疑者が疑われることになったというわけなんですが、佐々木さん、こうした小さな違和感というのを積み重ねていって捜査関係者の皆さんは何か捜査を始めていくというものなんでしょうか?

元埼玉県警・佐々木成三さん:
そうでしょうね。110番通報だったりは録音していることも考えられますので、この時の違和感というのはあったと思うんですが、ただやはりこの時に決断はできなかったと思いますね。この中で、ここから目撃情報がないという裏付けがあったからこそ、この違和感はさらに確度が高まるということだと思いますので、この中においては捜査の積み上げというのは必要だったと思いますね。

遠藤玲子キャスター:
そして、担任から母親に連絡があった直後、正午ごろには安達容疑者自らが警察に通報したといいます。

榎並大二郎キャスター:
もし子供が学校に行っていないんだと、送り届けたはずなのにといったら相当動揺すると思うんですが。ただ母親に電話があってから警察に通報するまでの時間がわずか15分ほどという、佐々木さん、この行動についてはどうみますか?

元埼玉県警・佐々木成三さん:
今思うと通報は早いですよね。本来であれば、まず検索してからいないというのを確認して警察に連絡するというのが、今考えると一般的な考えなのかなと思いますけど。容疑者が父親だったということになってくると、こういった動きというのも、やはり捜査においては重要になってくると思いますね。

遠藤玲子キャスター:
容疑者自ら110番通報しているという心理というのは?

元埼玉県警・佐々木成三さん:
担任が母親に連絡をしているというところだと思いますね。もちろん母親は結希君の安否を確認しますので、そこにおいて自分も安否を心配するという姿勢は示さなきゃいけないという中においての110番通報だったんじゃないかなと思います。

今回の事件では、いまだに多く謎が残っていますが、結希さんの所持品について、別々の場所で発見されています。
行方不明になった6日後の3月29日、結希さんの通学かばんを親族が発見しました。
これは学校から3kmほど離れていました。

そしてその2週間後、今度は全く別の場所、学校から6kmほど離れた場所で結希さんが当日履いていたとみられている靴を発見しました。

かばんが発見された現場付近の道路は、車1台がやっと通れるほどの狭い道で、ここから車で靴の発見場所まで移動すると、道中には雑木林があり昼間でも暗く感じられます。
また、人の姿はほとんどなく、移動には15分ほどかかりました。

榎並大二郎キャスター:
佐々木さんは逮捕前から結希さんの通学かばんが離れた場所で発見されたことに違和感があるとおっしゃっていましたけれども、いざ容疑者逮捕を受けて、改めてその意味合いというのはどんなところにあったんでしょうか?

元埼玉県警・佐々木成三さん:
結希君が1人で歩いていたら、これは全て矛盾すると思うんです。ただ、この中で第三者の介在があれば矛盾はしない。車で動いているということであれば矛盾はしないという中で、やはり通学用かばんというのが発見された中で、それまで積み上げてきた捜査の中で結希君が町中を1人で歩いているという根拠がないわけですから、この通学かばんの発見が第三者の介在があったと。これは親族が発見しているというのもあるんですが、この通学用かばんの遺棄というのも、今回の安達容疑者が関与している可能性は高いと思います。

榎並大二郎キャスター:
そのかばんの状態というのも、それまでにその場所は地元消防団が何度か見ているはずだったと。雨が降っている状況もあったけど夜露にもぬれていなかったという辺りも、この状況になってみると大きな意味合いを持ってくると。

元埼玉県警・佐々木成三さん:
これは重要な証言になりますよね。結希君がいなくなった直後からあったわけではなくて、いなくなってからしばらくたってからここに置かれたという証言になると思うので、こういった状況からも、通学かばんが見つかったのは、捜査に変わる起点だったのかなと思いますね。

遠藤玲子キャスター:
通学かばんが見つかる3日前の26日に警察が結希さんの自宅を調べた際、安達容疑者も立ち会っていました。佐々木さん、この時にも警察がすでに安達容疑者を疑っていた可能性があるということでしょうか。

元埼玉県警・佐々木成三さん:
ある映像の中で、警察が安達容疑者に結希君を送っていった車はどれかというのを指示している写真を撮っているんですね。通常、行方不明だとこの写真は撮らないんですね。この時にはすでに、本来1人で歩いているのであれば何かしらの情報があるが、これがないというのは矛盾している。もしかすると安達容疑者の送っていったという供述に矛盾があるんじゃないかという疑いは、この時点であったのではないかと思いますね。

遠藤玲子キャスター:
通学かばんを見つけるすでに3日前から、そういったような疑いがあったと。

元埼玉県警・佐々木成三さん:
疑いを持っていた可能性は高いですね。

そして16日に新たに分かったことに関しても、不可解な点が隠れています。

まず安達容疑者は3月23日の朝ごろから遺体が発見された4月13日の夕方にかけて結希さんの遺体を遺棄した疑いが持たれていますが、その際、南丹市の山林内・市内某所といった複数の場所を移動させていたとみられています。

複数の場所というのは、警察いわく10カ所や20カ所移動させたものではないと。
ただ、山林以外にもあると明らかにしています。
さらに、運ぶ際に何らかの乗り物を使用していたとしています。

遠藤玲子キャスター:
佐々木さん、何らかの乗り物を使用していたというのはどういうことなんでしょうか。

元埼玉県警・佐々木成三さん:
僕は車だと思いますね。ご遺体が発見された場所、靴が発見された場所、通学用かばんが発見された場所、全て共通点があって、それが山道なんですよ。車が乗り入れできる道沿いに全てがあるということは、やはり車を使っていた可能性は十分考えられますね。

榎並大二郎キャスター:
移動させる行為自体がリスクがあることをあえてやっているなという印象を受けるわけですが、警察は4月7日に結希さんの自宅裏の別荘地付近を捜索していましたけれども、その辺りに遺棄されていた可能性はあるんでしょうか?

元埼玉県警・佐々木成三さん:
自宅裏というのは、警察が捜査のフェーズを上げた時に最初に捜索している場所なんですよね。この自宅裏は何かしらがある、何かしら証拠がある、結希君の痕跡がある、こういった情報をもとにやっていますので、僕は自宅裏というのはまた再度、検証する可能性があるんじゃないかなと感じていますね。

遠藤玲子キャスター:
きょう警察の発表で、遺体を複数の箇所に移動させていた、こういった表現で発表したことについてはどうでしょうか?

元埼玉県警・佐々木成三さん:
これはかなり警察の捜査が積極的だなというのが分かります。本来であれば、ご遺体があった場所を死体遺棄の場所として逮捕状を請求することがリスクがない、問題がないんですよね。その中で、ご遺体が見つかった場所の鑑識作業とご遺体の状況からして、ご遺体が別の場所に遺棄されていたという証拠・根拠があったと。逮捕状においても、その事実で逮捕しているということは、警察はやはり数カ所、遺棄場所は山中だけではなくて別の場所にもあるということは、確実に証拠を固めているということだと思います。

警察は16日午後、安達容疑者の身柄を検察に送りました。
そして16日の会見では、結希さんの死亡推定時期がこれまで3月下旬だったのに対して、3月23日の朝までに生存が確認されていると言及しています。

榎並大二郎キャスター:
ここまで言及できているというのは、それだけの物的証拠が…カメラに映っていたとか、そういうことが確認されている可能性があるということですか?

元埼玉県警・佐々木成三さん:
やはり昨日、家族から詳細な聴取もあったという中においては、23日の朝、生存確認している家族の供述の信憑性があったということの裏付けがとれたということだと思います。

榎並大二郎キャスター:
そこに矛盾がなかったということなんですね。

遠藤玲子キャスター:
一方で、警察が差し控えている情報もあり、学校に実際に容疑者が送ったか、遺棄現場の詳細といったことは差し控えるとしていますよね。

元埼玉県警・佐々木成三さん:
警察は逮捕がゴールではないということですね。後に死体遺棄容疑で起訴する、余罪である殺人の関与をほのめかしている状況もありますので、殺人で逮捕する、これを起訴してもらって公平な裁判で有罪まで持っていく。ここを考えると公判維持を考えると、こういった情報を公開することはないというふうに思います。