東京電力は、福島第一原子力発電所での処理水の海洋放出をめぐり、2026年4月1日時点で約1,100件・900億円の賠償支払いを完了したと公表した。1か月ほどで約100件・20億円増加している。
福島第一原発での処理水の海洋放出は2023年8月24日に開始され、2026年3月24日の通算18回目の放出完了時点で累計約14万1,000t(タンク約141基分)が放出された。
4月20日には通算19回目の放出が開始され、4月20日までの19日間で約7,800t(タンク約8基分)を放出する計画となっている。
“処理水”は、1号機から3号機の原子炉の中に残される事故で溶け落ちた核燃料が固まった“燃料デブリ”に、地下水や雨水などが触れることで発生する“汚染水”から大部分の放射性物質を取り除いたもの。これを海水で薄めて海に放出している。
処理水の放出は、敷地を圧迫する1000基あまりのタンクを減らし、廃炉のためのスペースをあけることが大きな目的のひとつ。2026年4月2日の時点で、処理水等の貯蔵量は放出開始前から約6%減少している。貯蔵されている水の中には、放出の基準を満たせていない“処理途上水”も含まれている。
2025月2月からは、放出によってカラになった溶接型タンクの解体も始まっていて、9月3日にまとまったエリアとしては初めて「タンク12基分のエリア」の解体が完了。このエリアは3号機燃料デブリ取出し関連施設の建設場所として計画されている。東京電力は廃炉の進捗に伴い、必要な施設を建設するためのスペースを作る計画を立てながらタンクの解体を実施していきたいとしている。
放出開始以降、東京電力は第一原発周辺海域で海水のトリチウム濃度測定を実施していて、発電所から3km以内で700ベクレルを検出した場合には放出を停止することとしているが、これまでにこの指標に達したことはない。
国と東京電力が掲げる福島第一原発の廃炉の完了は2051年。
処理水タンク内のトリチウムがゼロになるのも2051年とされている。