2028年の大河ドラマの主人公が、土佐が生んだ幕末の偉人「ジョン万次郎」に決定。4月9日午後1時、NHKの制作発表で明らかになった。

故郷の偉人がついに大河ドラマ化される。この吉報に、「ジョン万次郎」の地元である土佐清水市の人たちは沸き立った。

念願の大河ドラマ化実現に沸く故郷、土佐清水市

「うれしいです。大変嬉しいです」。インタビューに応える地元住民の顔には、喜びがあふれていた。地元の偉人として誇りに思い、大河ドラマ化を心待ちにしていた人にとってこれ以上の知らせはないだろう。

地元の偉人として誇りに思う
地元の偉人として誇りに思う
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土佐清水市では2012年にジョン万次郎の大河ドラマ化を目指す実行委員会が発足。全国から2026年3月末時点で24万71人の署名を集めるほど実現を心待ちにしていた。ジョン万次郎資料館の土居京一 館長も「確約がとれないもどかしさの中、まさかこうなるとは思ってもなかったので感激している」と喜びに声を弾ませる。

ジョン万次郎資料館・土居京一 館長「まさかこうなるとは思ってもいなかったので、感激しています」
ジョン万次郎資料館・土居京一 館長「まさかこうなるとは思ってもいなかったので、感激しています」

激動の時代を駆け抜けた人生、その素顔とは-

ジョン万次郎(本名:中浜万次郎)は1827年、現在の土佐清水市に漁師の子供として生まれた。14歳の時に漁で遭難し、無人島に漂着したところをアメリカの捕鯨船ジョン・ハウランド号に救助された。

ジョン万次郎(本名:中浜万次郎)
ジョン万次郎(本名:中浜万次郎)

船長のホイットフィールドに連れられ、日本人として初めてアメリカに渡り、学校で英語、測量、航海術などを学んだ。日本に帰国した後は土佐藩の藩校教授や幕臣として取り立てられ、幕末から明治維新にかけて日本と海外をつなげる国際交流の礎を築いた。

坂本龍馬や岩崎弥太郎といった歴史的人物たちにも影響を与えたと言われるジョン万次郎だが、その素顔は決して名誉や地位を欲するものではなかった。

中濱京さん「万次郎は有名になろうと思ってやったわけではない」
中濱京さん「万次郎は有名になろうと思ってやったわけではない」

直系5代目の子孫にあたる中濱京さんは、「万次郎は有名になろうと思ってやったわけではなく、与えられた境遇を精一杯生きた結果にすぎない。人と人との心のつながりを大切にした親しみやすい人間だった」と語る。彼のひたむきで誠実な生き方は、現代でも多くの人を魅了してやまない。

再び巻き起こる「高知ブーム」に期待

今回の決定には、各界の著名人も喜びの声をあげている。

父は土佐清水市出身 ミキ・昴生さん:
「また高知が盛り上がる!!アンパンマンの次はジョンマン!!」

俳優・土佐弁指導 西村雄正さん:
「『らんまん』で植物の力強さを感じ、『あんぱん』で人のやさしさに触れ、そして次は『ジョン万』。この流れが続いていくことにただただ感謝と誇りの気持ちでいっぱいです」

高知県選出の国会議員・尾崎正直さん:
「ジョン万の故郷、高知県土佐清水市は父の故郷。この上ないことです!」

また浜田知事は「地元の悲願でもあった大河ドラマ化という大きな追い風をしっかりと県勢浮揚につなげられるよう、地域の皆さんとともに取り組んでまいります」とコメントしている。

近年、高知出身の偉人が多数ドラマ化されている
近年、高知出身の偉人が多数ドラマ化されている

近年、複数の高知出身の偉人が大河ドラマや朝ドラのモデルとなっており、県内の観光熱は高まり続けている。かつて「龍馬伝」が放送された際には、県外からの観光客数が前年比38%増となり、当時として過去最高の年間435万人を記録した。

海を渡り、激動の時代を生き抜いた「おらんくの偉人」は、一体どのように描かれるのだろうか。新たな“ジョン万効果”が、高知の地に再び大きな活気をもたらす日は遠くない。