イラン情勢を受けて国内での石油の安定供給が課題となる中、福岡でも27日、「国家備蓄」の放出が始まりました。
普段は立ち入りできない場所の裏側に密着です。
◆記者リポート
「北九州市若松区にある船乗り場に向かっています」
午前10時に記者が到着したのは、「安瀬船乗り場」。
石油を午後から放出する白島国家石油備蓄基地へ、ここから船で向かいます。
26日に政府が始めた、「国家備蓄石油」の放出。
中東情勢の緊迫化により全国11の基地から順次運び出し、元売り会社へと渡します。
放出はロシアによるウクライナ侵攻が始まった2022年以来、約4年ぶりです。
船乗り場を出発し、北西へと向かうこと約30分。
◆記者リポート
「白島基地に近付いてきました。目の前には、巨大なタンカーも到着しています」
白島国家石油備蓄基地は、沖合約8キロの場所にあります。
◆記者リポート
「『白島7号』と書かれた貯蔵船が目の前に浮かんでいます」
響灘に浮かぶ白島石油備蓄基地の広さはみずほペイペイドーム約11個分で、全国3番目の規模を誇ります。
その最大の特徴は、巨大な8隻の貯蔵船です。
◆記者リポート
「全長は400メートルあり、目の前で見ると、その巨大さがよく分かります」
1970年代に起きたオイルショックをきっかけに建設され、1996年に完成しました。
最大で国の消費量約20日分にあたる、約560万キロリットルの石油を貯蔵できます。
◆記者リポート
「画面奥に巨大なタンカーが到着しています。これから石油放出の準備が行われます」
貯蔵船の石油は最長約2キロのパイプラインを通って、タンカーへと送り込まれます。
海上で受け渡しができる輸送効率の良さもこの基地の強みです。
作業員は総勢約100人で、パイプの接続や安全確認など約2時間半かけて放出準備が行われました。
そして午後3時半すぎ、タンカーへの放出が始まりました。
◆記者リポート
「こちら基地が一望できる管理棟の屋上です。先ほど放出が指示されました。白いパイプを通って、石油がタンカーへと送り込まれています」
27日放出されたのは、6号と8号の2隻に蓄える石油です。
1時間あたり約5000キロリットルを放出できるといい、2日半かけて30万キロリットルの石油をタンカーへ積み込みます。
白島石油備蓄基地では、4月下旬まで約1カ月間放出作業が行われ、国内の基地で最も多い180万キロリットルの石油が輸送されるということです。
石油は大手元売り会社4社に渡され、ガソリンや軽油などの燃料に精製されたのち、市場に出回ります。
「国家石油備蓄」の放出は、全国に11カ所ある備蓄基地で今後、順次進められます。
放出された石油はエネオスや出光興産などの元売り会社へと引き渡されて、市場に出回ることになります。
今回の放出量は国内消費の30日分で、国家備蓄としては残り116日分あり、石油連盟はすでに政府に対して追加の放出を要請しています。