大手レシピサイトのクックパッド。
その新機能「レシピスクラップ」が物議を醸している。
料理研究家らから批判が相次ぐ中、クックパッド側は声明を発表するなど、対応に追われている。
レシピ一元管理「クックパッド」新機能が物議
料理研究家ジョーさん。:
ただのスクラップ機能であれば、ここまで怒ってないと思う。(自分のレシピが)彼らが利益を得る手段に使われているが我々に還元はない、という状態がとても倫理観としてどうなんだって。

問題となっているのは、クックパッドが3月19日までに公開した新機能「レシピスクラップ」だ。

インスタグラムに掲載された料理のレシピの場合、右下の紙飛行機のマークをタップ。
「レシピをインポート」を選べば、アプリ内への取り込みが完了するなど、簡単操作でレシピをアプリ内に取り込める。

取り込んだレシピは、食材を入力するだけで検索が可能になり、レシピの一元管理ができるというものだ。

この新機能にネットでは、「クックパッドのレシピ取り込み機能使ってみたけど機能としては革命的に便利だな」「クックパッドの新機能燃えてますけどめっちゃ便利で最高かも」と、おおむね好評。
「かなり死活問題」レシピ作成者から批判殺到
一方で、料理家やレシピ作成者からは批判が殺到した。

その1人、料理研究家のジョーさん。に理由を聞くと、「レシピを作っている人たちに報酬もないしトラフィックもなくて、レシピという成果物だけが抜き取られてしまうということに反発を覚えたというのが素直な感想」と話す。

SNSでレシピを発表している料理家のまるみキッチンさんも、新機能について「散らばったレシピ自体をまとめられる機能自体は便利だと思った。ただクックパッド上だけでレシピを見て完結してしまうっていうのがあって、もろに(レシピ動画の)再生数が当然減っちゃうので、やっぱりSNSで生計を立てている料理家としては、かなり死活問題かなと思っている」と語る。

利用者には便利な新機能のレシピスクラップだが、無料会員が取り込めるレシピは週に5件までで、無制限に取り込むには、1カ月550円のプレミアム会員になる必要があるのだ。

料理研究家ジョーさん。:
クックパッドさんの利用規約の中で、自社サービスにあるレシピやサービス上にあるものを営利目的で他に利用することを禁止している。自分たちのところでは禁止しているのに、同じ事を自分たちがやっているという状態なので、そこが一番問題なのかなと思う。
騒動を受け、クックパッドは22日に声明を発表。

新機能は「あとで作るための個人の記録」を目的としていて、「レシピを公開・再配布するものではない」という。

さらに、「レシピを発信されている方々への敬意やその価値が適切に伝わることについてはまだ十分ではない部分があると認識しています」とし、「機能の仕様も含めた見直しを進めてまいります」としている。
この声明に対して、料理研究家のジョーさん。は「世の中の人たちがもっと手軽に料理に取り組んでもらえるような形に落ち着くことを望んでいる」と話す。
レシピに著作権なし?法律的には…
青井実キャスター:
山口さん、利用者の人にとっては便利な機能である一方で、レシピの考案者である料理研究家の皆さんからは反発の声が上がっているということですが。

SPキャスター・山口真由さん:
便利さと権利の感覚ってバランスが難しいですよね。
まずは法律的な面から見ると、料理レシピ自体はアイデアにとどまっている状態であれば、原則として著作権は認められないということです。

ただ、レシピ本のような著者の工夫を凝らしたレシピや文書の配置、写真などについては、著作物性が認められる可能性があり、無断転載をすると著作権法に違反する可能性があるという。
では、企業の危機管理側から見るとどうなのか。

危機管理に詳しい桜美林大学・西山守准教授によると、クックパッドのようなプラットフォームサービスは、「レシピ考案者とサイト側がウィンウィンの関係にならなければならない」という指摘と、「レシピの考案者に利益が還元されたり、元サイトに誘導されたりする仕組みをきちんと考えるべきではないか」という指摘があった。
クックパッド側も、機能の仕様も含めた見直しを進めていくと発表はしている。

青井実キャスター:
山口さん、そういう意味では、SNSで生計を立てている方にとって死活問題だというところは分かりますよね。
SPキャスター・山口真由さん:
クックパッドは素人同士がレシピを交換している時は一世を風靡(ふうび)したけど、インフルエンサー時代、多くがフォロワーを持つような時代には対応できていないという批判がありますよね。でも、インフルエンサー、プロで、これで生計を立てているという時、それをリスペクトしないとこういう炎上によって、企業も風評的なダメージを負うという部分があると思いますね。
青井実キャスター:
西山准教授が指摘するウィンウィンの関係に、という部分が難しくなってきますよね。

SPキャスター・山口真由さん:
どうなんですかね、クリエーターに還元するというのが、クリエーターエコノミーで言われていることですけどね。
青井実キャスター:
今、いろんなものがAI(人工知能)でまとめられるようになって、元の記事へのアクセスが減っているなんていう現状もあるわけですから。
SPキャスター・山口真由さん:
やはり原点に対するリスペクトは、法律とは別に忘れてはいけないと思います。
青井実キャスター:
まさに人の気持ちを大切にして、ウィンウィンの関係を築いていってほしいと思いました。
(「イット!」3月24日放送より)
