「7歳の息子の為にも日本をちゃんとしなくちゃ」野田聖子女性活躍担当相が明かした想い

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  • 「幕末の志士の気分」「この国をちゃんとしなくちゃ、と強く思う」
  • 国会・霞が関・マスコミが一番遅れているセクハラ対策 「法律」よりも即効性
  • 女性を活躍させることが出来るかどうが経営者の資質を問う試金石となる

注目の政治家とフジテレビ・平井文夫解説委員の対談シリーズ【平井文夫の聞かねばならぬ】
今月は、野田聖子総務相(兼女性活躍担当相)に話を聞いた。2回に分けて掲載する。

「じじパパ・ばばママサークルを一緒に作りましょう!」

平井:
大臣のブログを読んでいます。お子さんはもう小学2年生ですか・・。

野田:
7歳になりました。

平井:
私事で恐縮ですが、私の娘が保育園の年中なんですよ。大臣と私は同世代ですが、うちは私が54歳の時に生まれたので。

野田:
まだ小さいですね。でも、そういう方多いですよね。今度、「じじパパ・ばばママサークル」のようなものを作りましょうよ!どこの親よりも先に死んでしまうという自覚があるから、日本の将来が心配なんですよ。ちゃんとした国を残さなきゃという気持ちが強くなってきています。

「今は幕末の志士の気分」

平井:
まさにそれが最初の質問なんですが、子供が生まれて、野田さんご自身が政治家として変わったことは何ですか?

野田:
「幕末の志士」のような気分になっています。
子供がいなかったら、自分のことだけ考えて政治家をやっていけばよかったけれど、やはり自分の息子を残して死んでいく身としては、「この国をちゃんとしていかなきゃ」と思います。

うちは障がいを持っていて自立出来ない子だから、私の目が黒いうちは、何かあった時にこの子が孤立しないようにということをすごく考えています。
林真理子先生と話した時に、「幕末の志士はそのことばかり考えていたのよ、聖子ちゃん。最近の男は考えていないね」とおっしゃって。遅くに生まれた子だからこそ、自分はある程度成熟しているから、若い親とは違って落ち着きもあるじゃないですか。この国の行方を案じる余裕が。なおかつ「子供」というリアリティがあるから、すごく力が入ります。

目先の株価も大事だけれど、この先こんなに人口が減って大丈夫か、というような中長期的な政策課題の方に、ついつい軸足を置くスタンスに変わりましたね。

セクハラ対策は「法律」よりも即効性と実効性

平井:
先日の記者会見では「フェアネス社会」を目指すとおっしゃいましたが、財務省ではセクハラ問題が起きました。麻生さんが「セクハラ罪という罪はない」と発言したので、その対策として「法律が出来るのではないか」という見方もありましたが、そうでなかった。これに対し一部では批判もあります。

野田:
批判は甘んじて受けます。私は法律を全否定しているわけではないのですが、現実主義者なので、まず即効性・実効性のあることをしたいなと思いました。それに、法律を作るのにはすごく時間がかかります。
「セクハラ罪」という言い方も変ですが、性犯罪に関しては、言動以外にはほとんど対応できるんですよ。一番ひどいのはかつて「強姦罪」といわれた「強制性交等罪」。広い意味で「性暴力」があって、それ自体も「罪(ざい)」にはなっていないのですが、それぞれ個別に刑法があってそこに引っかかってくる。

今、言葉だけが残っています。そこを定義するのはすごく時間がかかるんです。免責はどうするかとか。例えば、男性の間でよく言われているのは、「平井さんに言われると嬉しいけれど、誰それさんに言われると嫌だ」みたいなことを整理するために、すごく時間がかかるんです。
それをやりますと言って適当にお茶を濁すことがいいのか、それよりもまず官僚のセクハラを根絶させるためにやれることがあるじゃないかと。それは、法律を変えなくてもできるんです。
研修制度と内閣人事局の合わせ技。これをやれば、速攻効きますから。

平井
要するに、幹部公務員に研修を受けさせて、それでもダメな人は出世できませんよ。給料下がりますよ、ということですか?

野田:
幹部に研修を義務付け、それを査定の条件にするということです。これは法律よりも重いのではないかと。

平井:
これを民間企業でもやったらいいんじゃないですかね。

野田:
大企業ではやっているんじゃないですか。海外との付き合いのある企業では、セクハラはアウトですから。
国会、霞が関と日本のメディアが、一番遅れているんです。先日、地上勤務のCAの方に対して、大手企業の役員がセクハラをしたということで、当事者でない社長が引責辞任しました。グローバルな企業でも、たまたま今回の関係者は日本で一番出遅れている人たちだった。そこをきちんと世間にキャッチアップできるようにお尻を叩かないといけないなと思います。

平井:
我が社も含め、マスコミもきちんとしなければいけないですね。

野田:
今回マスコミの罪は、自分たちを下請け体質にしてしまっていていること。「財務省から情報が取れなくなったらダメだ」という強迫観念があって、本来は対等か、権力をウォッチするということであるにも関わらず、「情報が取れなくなる」ということに甘んじて、本来であれば社長が社員のために相手方に抗議するところを怠ったと。
メディアと役所の、健全で対等な関係を構築し直してほしいなと思いましたね。

財務省が示した最悪のケースから学ぶ

平井:
例えばですが、麻生さんがセクハラ研修に出るとか。そうすると盛り上がるのでは?

野田:
麻生さんのキャラクターを知り尽くしている平井さんからすると、まあ、不可能だってわかるでしょう。
そんなことをしなくても事態は変わりますから。どうしてもメディアは、面白おかしく突っ込んできますが、私にとっては、麻生大臣の当時の発言は過去のもので、どんどん変わっていけばいいと思っています。

平井:
僕は、女性が活躍する社会を作らないと、この国は回らないと考えていますが、いまだに「オヤジ」が跋扈していて、女性の活躍を抑えつけているのではないかと。それを打ち破るにはどうしたらいいのでしょうか? 

野田:
オヤジが抑えつけているのは、女性のみならず、若い男性もそうです。
だから、これは「ハラスメント」という定義の中で正していかなければならないですし、それぞれの組織の風通しを良くしなければならない。今回、財務省が最悪のケースを見せてくれたので抜本的に変わっていくし、男性の問題ではないんだなと。どんなに頑張っていい大学を出ても、そういうことをやってしまったら一瞬にして地位や名誉を失うということを誰もが学んだと思いますよ。

私、結構なデータマニアなんです。だからデータを見てくれと言いたいですよ。
「女性を活躍させているところの方が数字が上がっていますよ、経営者のみなさん」と。
男性は、若干気弱なところがあって、右見て左見て誰もやっていなかったらやらない。それを先にやった人たちは、実績を上げています。
それは、これから負荷がかかる日本の経済の中の経営者の資質が分かる試金石になると思います。

「吉田茂の孫だ!イジメてやれ」麻生太郎の幼少期

平井:
いわゆる「オヤジ」って段々いなくなっちゃうんですかね? 麻生さんみたいな。

野田:
麻生大臣は、ある種の”嫌われコンプレックス”のようなものがあるんですって。
「今叩かれていて大変ですね」とか言われても、麻生大臣は「何とも思わない」とおっしゃるんですよ。
「それは俺が子供の時、吉田茂の孫としてどれだけいじめられたか。それに比べれば、全然平気」と。「いいか、もし当時、世論調査があったら、吉田茂は相当低いぞ。学校でもどこでも『吉田茂の孫だ、いじめてやれ』という感じだった」と。だから、「俺は、政治家をやっている時に文句を言われるのは全然堪えない。うちのお爺もやってる時はめちゃくちゃに言われたけれど、今は神様のように言われているじゃないか」というのが、麻生大臣のひとつの考え方なんです。

”テレワーク”は20年前から言っていること

平井:
冒頭で人口減少の話がありましたが、今、労働力不足が大きな問題になっています。
だからこそ、女性が社会進出するべきだし、障がい者の方も当然、同じように活躍できるようにするべきです。先日の会見でも触れられたテレワークは、相当な労働力確保につながるし、予算もいらない。
なぜあまり普及しないのでしょうか?

野田:
私も調べてみましたが、この国のICTに対する投資はすごく低いんです。その醍醐味というものをまず政治家が一丁目一番地で受け止めてこなかったからだと思います。
私がテレワークを話題にしたのは20年前、郵政相の時だから。

今まで紙と鉛筆で働いていたのをデジタルに変えるというのは、仕事のやり方が大きく変わることですよね。そもそも「出勤しなくてもいい」とか、そういうところから変えていかないと駄目なんじゃないかと。

大臣の執務机に置いてある「未決」「既決」箱

平井:
お宅(総務省)はまだ「未決」「既決」ですか?
あの箱、いらないんじゃないですか?(笑)

野田:
そう!だから、電子決済を始めました。私が来るまでは紙決済だったのですが、大臣決裁だけは電子決済に変えちゃった。この「未決」「既決」の中に入っているのは、週刊誌のコピーだけですよ。(笑)

対談は第2弾へ続く。

(対談:フジテレビ 平井文夫 上席解説委員」
(写真:フジテレビ 瀬井貴之)
(編集:FNN PRIME online 編集部)

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