最近、皆「北朝鮮のミサイルが怖いから対話して解決すべきだ」と考えていないか。
それは間違いだ。

「北朝鮮への経済制裁は中露が協力しないから効果がない」や、「米国は日韓が反対するから軍事介入はしない」などと考えてはいないか。
これもウソだ。

これらは北朝鮮シンパが、対話に持ち込むために宣伝しているものなので、決して騙されてはいけない。
 

「制裁は効果なし」はウソ

北朝鮮と対話をしてはならない第一の理由、それは経済制裁の効果。
今回、国連決議で新たにいくつかの制裁を決めた。

「制裁は効果がない」という人がいるが、ゼロではない。
今回の制裁が上手くいけば、北朝鮮の外貨獲得の9割をおさえることが可能となる。
ちなみに北の外貨市場は約数千億円。そのほとんどはミサイルの開発に使われている。
すぐには効果がなくとも、何年か経てば、北朝鮮はミサイルも核も開発する資金がなくなるのだ。

時間はかかるが、日本は、辛抱強く一国一国ずつ脅したりすかしたりして説得するしかない。
実は、中国は石油禁輸には消極的だが、外貨獲得阻止は協力している。いずれ効果が出てくると思う。
 

米国は年明けにも軍事介入か

二つ目の理由は、米国の軍事介入。
最近、米国の軍事介入は年明けにもという可能性が指摘されている。
ICBMがアメリカ本土に届くほどの力を、本当に北朝鮮が持っているのなら、米国は軍事攻撃に出るというムードになってきた。

時間をかけて準備を万端にし、北のミサイルは勿論、軍事境界線沿いにソウルにむけて配置されているロケット砲も何もかもすべてを一気に叩き潰し、最後に核施設を狙う。
この為の準備を時間をかけて行っていると思われる。

米国の過去50年の行動パターンを見ていると、こういう局面で、米国は必ず軍事攻撃をしている。
私はその可能性はあると言っておきたい。
 

喧嘩は相手の嫌がることをやれ!

三つ目の理由、それは金正恩は対話をしたがっていることだ。
ミサイルで脅して対話に持ち込もうとしている。
喧嘩は人が嫌がることをしなくてはならない。

金正恩が対話をしたがっているのなら、こちらはぐっとこらえて、経済制裁と軍事攻撃でを締め上げておいて、べそかいた金正恩をイヤイヤ対話の場に引きずり出すのが、こちらの勝ちパターンだ。
 

対北朝鮮 外交交渉のカギは?

まず拉致問題とミサイル問題が解決すれば多額援助を約束するといい、北朝鮮は5人の拉致被害者とその家族を日本に帰した。
しかし残りの拉致被害者を返さなかったので、日本は援助を拒否した。
すると北朝鮮は騙されたと怒った。この外交で上手くいった理由は、常に日本側に決定権があったこと。

そうでないと交渉は成功しない。
 

平井文夫
平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ報道局上席解説委員。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て現職。