いの町で伝統の土佐和紙を使ったアートが楽しめる個展が開催されています。イタリアの紙職人と協力して作った新しいアート作品もお目見えです。
三木優花アナウンサー:
「チョウやバラが浮き出しているこちらの作品。和紙だからこそ、このふわっとした立体感を生み出すことができるんです」
情熱的な表情を見せるひとりの女性。その髪や脇を飾るバラの花には土佐和紙が使われています。
いの町紙の博物館で開催されている横山明子さんの個展。安芸市出身の横山明子さんは幼いころからルネサンス美術に魅せられ、高知大学では美術史を専攻。大学時代に訪れたイタリア・フィレンツェで憧れのミケランジェロなど本物の芸術作品に触れ、卒業後フィレンツェの美大に入学しなおしました。
横山さんは、異国の地で日本の魅力を紹介する作品を作りたいと思い、着目した素材が土佐和紙です。なかでも世界一薄い紙と言われる「土佐典具帖紙」です。
横たわった女性が描かれた「やわらかく優しい時間」という作品は、淡い色調でまさに優しい時間が流れているようです。水彩絵の具で染めた薄い典具帖紙を貼り付けることで濃淡が生まれ、水彩画でも油彩画でもない独特の存在感が作品に宿ります。
仁淀川町から:
「和紙が好きなんですけど、昔からの便箋とかも和紙を使ったりしてたんですけど、この絵を見たらすごく和紙というのは奥深いなと思いました」
土佐和紙の作品とは別に並ぶ絵は「大理石紙」に描かれています。「大理石紙」とは横山さんがイタリアの紙すき職人と協力して開発した独自の紙。コットン繊維と大理石の粉を混ぜて手ですくことで画用紙を重ねたような重厚感のある紙質になります。
横山さん:
「コットン100%が従来の良質な紙なんですが、それに大理石の粉を混ぜてできた紙がこちらなんです。ちょっと持ってもらえますとすごく重量感がある」
三木アナ:
「重いですね、ずっしりしてる」
この大理石の紙に描いた絵が「青い天使」という作品。イタリアで出会った少女を描いた水彩画は鮮やかな色彩で独特の質感です。
横山さん:
「表面が粗い感じがするんですけど、大理石の結晶が光を乱反射してキラキラ光るというのがこの紙の特徴でもあり魅力でもある」
大理石の紙に描いた絵は他にも。ミケランジェロの「悲しみのマリア」は大理石紙特有のざらついたタッチが他にはない印象を与えます。
こちらはレオナルド・ダ・ヴィンチの「レオナルドの天使」。大理石紙の質感が作品に重みと深みをもたらします。ミケランジェロもダ・ヴィンチも横山さんがイタリアに留学するきっかけになった憧れの芸術家です。
横山さん:
「文化交流の中で新しい物がそれぞれの国で、町で、文化の中で発展していけば面白いなと思います。それの架け橋に自分が少しなれればなお手伝いできればなと思っています」
「横山明子の大理石紙の絵と和紙画展」は1月25日まで開催されています。