育児の話題をお伝えする「Thank you for zero」のコーナー。
今回はこちらです。
■■■ VTR ■■■
広島市内の小児科。
子供たちは大人に比べ、病気やケガで病院にかかることも多く、それに伴い医療費も…。
【病院を訪れた母親】
「子供がもう1人いるんですけど、2人分となったら少なくはないと思うので」
行政による医療補助はありがたい存在です。
【病院を訪れた母親】
「所得制限が無くなったら助かるなと思います」
所得制限や対象の年齢など県内でも自治体により負担額は異なります。
「広島市はもっと充実させてほしい」と今、保護者や医療関係者が行動を起こしています。
この動きに対し…
【広島市 松井一実 市長】
「子供・若者と子育てにやさしい街・広島の実現に向け、いわば行政の転換に向けた検討を進めているところであり、その中で子供医療費の拡充に向けても検討していきたい」
今回は拡充を求める声が多い広島市の子供の医療費について考えます。
■■■ スタジオ ■■■
【石井百恵 記者】
今回の「Thank you for zero」は広島市の子供の医療補助についてです。
この子供の医療補助の未来は、子育てをしていない人にも関係してくる話なので、ぜひ皆さんで考えてみてください。
まずは、現在の制度を見てみましょう。
現在の子供医療費には3つのハードルがあるといわれていて、1つは「所得制限」、1つは「年齢制限」、もう1つが「一部負担金」です。
そのうち広島市は現在…
●「所得制限」が「ある」。
●「年齢制限」は中学3年生までで、高校3年までの自治体が多い中対象が狭くなっている。
●「一部負担金」が、年収に応じて、一部の方を除いて500円~1500円かかっている。
これを他の市町と比較してみましょう。
20ある同じ政令指定都市で見てみると…
※すでに来年度以降、撤廃が決定しているところをのぞくととても限られていて…
●「年齢制限」があるのは、広島市と札幌市のみ。
●「所得制限」があるのは京都市と広島市のみ。
さらに広島県内を見ると、神石高原町と大竹市がすべてなくして無償化という市町も出てきています。
一方で、広島市にも理由があります。
「ナショナルスタンダード」という言葉を使われていて、こうした福祉に係わることは一律平等であるべきで「国がやるべきこと」だという方針です。
長年これを貫き、国に対しても働きかけをしてきました。
ただ全国的な流れを見ると、このままでは取り残されるということもあり、12月議会での発言「子育てにやさしい町の実現に向け前向きに検討していく」という動きがでてきています。
では係わる人はどう考えているのか意見を聞いてきました。
■■■ VTR ■■■
まず子育て真っ最中のお母さんはどんなことを希望しているのでしょうか?
【広島市在住の母親】
「無償化されるにこしたことはないと思いますけど、自分、この子1人目なんで不安なことというか、医療費がかからなければちょっとしたことでも(病院に)行こうとか。病院も1つの相談場所というか、そういうので行きやすいかなとは思います」
「金銭的なしんどさが多いので、とりあえずそこから助かりたいという気持ちはあります。家を買うときにいろいろ情報を調べている中で、広島より府中町の方が子育てしやすいみたいな情報を目にすることが多いので、もともと広島市内で家を買おうと思っていたんですが考え直したほうがいいのかなというのはありますね」
広島市や市議会へ負担軽減を求めた市民グループは?
【子どもと重度障害者の医療費の無料化を求める会 事務局 須藤明子 さん】
「医療というのは命に係わることでありますし何かあったときに、親御さんが安心して医療機関にかかれるお金の心配なくかかれることが一番大切だと思っています。受診をためらったりすることがないように制度の拡充はすごく重要になってくるかと思っています」
一方、小児科医はどう見ているのでしょうか?
県や市の小児科医会では、広島市に陳情書を出し、長年にわたり保護者負担を軽減するよう働きかけてきました。
【もり小児科 森美喜夫 院長】
「できるだけ負担の少ないような制度にしてあげるべきだと思うし、特に子供は小さいお子さんは免疫がないから、3歳4歳5歳の間に一生分の風邪をひくわけですよ。その分だけ何回も医療機関を受診しないといけない。お金もかかる。時間もかかる。労力もかかる。どこかをサポートしてあげないと、なかなか核家族で小さい家庭でお子さんを育てるのは非常に大変なことだと思います。社会として応援してあげることはいると思うんです」
一方で、全面的な無償化には不安を口にします。
【もり小児科 森美喜夫 院長】
「ゼロにすると『コンビニ受診』も増えるんじゃないかなという実際データが出ているみたいなんで、その辺の兼ね合いは財政で決まってくるのかなと思っています」
■■■ スタジオ ■■■
【石井百恵 記者】
それぞれの立場での率直な意見、どれもわかりますね。
医師は「コンビニ受診」で需要が増えすぎて本来受けるべき人に皺寄せがいくのでは…と実際に先行した市町の例をあげ心配はしていました。
親としては無償化になればうれしいのはもちろんですが、予算も限られています。
どれぐらいかかるのでしょうか。
現在広島市では、すでに子供の医療費の補助に「30億3000万円」の予算をかけています。
所得制限や年齢制限をなくし窓口での一部負担金だけ残すと追加経費で14億7100万円これを「完全無償化」にすると24億1700万円。
これが毎年かかるということになります。
予算感で比較するとピースウィングスタジアムの建設費が286億円なので、およそ12年分でスタジアムができる金額だったり、子供の給食費が小中学校合わせて48億6000万円ぐらいかかるので、およそ2年分の予算で小中の給食無償化ができるということになります。
限られた予算をどこにあてるのか、子育ての町にするのか、観光や建物に力を入れるのかなど将来の町づくりを描くことにもつながりそうです。
最後に22日の定例会見で市長に改めて方向性を聞いてみました
■■■ VTR ■■■
【広島市 松井一実 市長】
「子供・子育てにかかわる施策を横断的に点検して、見直すその中で、拡充を検討したい。来年度当初予算の中で、どんなことをやるかを示していけたらと思う」
■■■ スタジオ ■■■
【石井百恵 記者】
前向きな前進がみられるのでは…という回答だったんです。
来年度予算案は来月発表されますので、また進展がありましたらお伝えしたいと思います。