全国で近年、急増している性感染症の「梅毒」。長野県内でも増加していて、12月21日現在で93件の届出があり、過去最多となった。最多更新は4年連続。県は感染拡大の背景にSNSやマッチングアプリの普及、新型コロナウイルスの5類移行後の人々の行動範囲の拡大などがあるとみている。県はコンドームを適切に使用するなど感染予防を呼び掛けている。

全国的に感染者が急増

国立健康危機管理機構によると、全国の梅毒届出数は2025年1月から12月14日までに13085件(速報値)の届出があり、近年急増している。

梅毒 届出数に推移(長野県)
梅毒 届出数に推移(長野県)
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長野県内の届出数も、ここ数年、急激に増加していて、12月21日現在で93件に上り、1999年に感染症法による調査を開始して以降、過去最多となった。最多更新は4年連続。

男女とも幅広い年代で流行

長野県の2025年の梅毒感染者の傾向として、男女ともに幅広い年代で流行していることが挙げられる。特に男性は20代から40代、女性は20代から30代で感染者が多い状況となっている。都市部で感染した若い世代の人が県内に戻ってから、身近な人に感染させてしまうケースもあるという。

提供:国立健康危機管理研究機構
提供:国立健康危機管理研究機構

県によると、4割の患者は症状が進行してから診断を受けており、診断までの間にパートナーなど他者に感染させてしまう可能性があることから、早期発見、早期治療をするよう呼び掛けている。

提供:日本性感染症学会
提供:日本性感染症学会

梅毒の初期症状は、感染部位に痛みのない潰瘍ができることがある。その後、全身に発疹が現れたり、発熱や頭痛などの症状が出ることもある。これらの症状は自然に消えることがあるが、適切な治療を受けないと重症化する可能性がある。

匿名・無料で検査可能

県内の保健所では、匿名・無料でHIV・梅毒・性器クラミジアの検査を実施している。

検査は予約制となっており、感染の不安のある人は最寄りの保健所に問い合わせることが推奨されている。

感染予防にはコンドーム使用を

梅毒は主に性的接触で感染が広がる。感染を予防するためには、コンドームを適切に使用することが重要である。

提供:日本性感染症学会
提供:日本性感染症学会

ただし、コンドームが覆わない部分からも感染する可能性があるため、皮膚や粘膜に異常がある場合は性的接触を控え、早期に医療機関を受診することが勧められている。

SNS普及などが背景か

患者報告者数の増加の背景について、県は交流サイト(SNS)やマッチングアプリを通じて、見知らぬ人と簡単に出会えるようになり、不特定多数の人と性的な接触をもつ人が増えている可能性もあるとしている。

提供:日本性感染症学会
提供:日本性感染症学会

また、新型コロナウイルスの5類移行後、人々の行動範囲が広がったことも一因とみられるとしている。

長野放送
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