年末年始のごちそうでもある「カニ」。
しかし今、そのカニをめぐって勧誘電話で粗悪品などを売りつける、いわゆる
“カニカニ詐欺”が問題になっていて、北海道の水産会社も注意喚起している。
執拗な電話勧誘で粗悪品を売りつけ
12月2日に、カニカニ詐欺とみられる電話がかかってきたという関東在住のAさん。電話の相手は北海道のカニ業者を名乗る男性で、「以前お世話になりました」「いいカニなので購入を」と言われたという。

カニカニ詐欺とみられる勧誘電話の実際の音声:
今回、北海道からの送料・手数料・梱包料・代引き手数料、すべて無料にさせていただきまして、お値段大特価の1万9800円まで下げさせてもらって……。
内容は「本ズワイガニ」がかなりお得に購入できるというものだ。
Aさんは断ったが、男性は話を続けた。
カニカニ詐欺とみられる勧誘電話の実際の音声:
今までの人生で食べてきたカニの中で3本指には必ず入れてみせますので、絶対後悔はさせないので、いっぺんだけ食べてみてください。
Aさんが何度も断ると、いきなり電話は切られたという。

送られてきたカニが、購入金額に見合わない身がスカスカな粗悪品だったり、勝手に代引きで送り付けられるという“カニカニ詐欺”。
Aさんは、「北海道のカニ屋で買った記憶がなくて、2㎏とか3㎏とか量も言わなかった気がします。かなりしつこかったです。もう途中から絶対に怪しいと思いました。電話番号と名前を知られているのが怖かった」と話す。

24日、「イット!」取材班がAさんにかかってきた電話番号にかけてみると、一度はつながったが、担当者不在を理由に会社名などは回答しなかった。その後、あらためてかけたものの、電話はつながらなくなった。
送り付け被害には「受け取り拒否」を
同様の手口は、2022年にも起きていた。

2022年10月の放送では、覚えのない業者を名乗る勧誘電話で約1万2000円の海産物の詰め合わせを購入した男性が、「自分が思い描いてたものではなく、ちょっとお粗末な感じのものでしたね」と、値段とは見合わない質の悪い商品が届けられたと話していた。

こうした“カニカニ詐欺”に、北海道の水産会社「北海道 北釧水産」は「カニカニ詐欺が流行っております。当店では営業電話は一切しておりませんので、ご注意ください」と注意喚起をしている。

国民生活センターによると、こうしたトラブルの相談件数は2021年度に約5200件に急増していて、2025年度も11月までで2500件以上にのぼっている。国民生活センターは、必要がなければきっぱりと断り、一方的に代引きなどで送りつけてきた場合は受け取りを断るよう呼びかけている。
(「イット!」12月24日放送より)
