年末年始の食卓に欠かせない「年取り魚」です。長野県の東北信はサケ、中南信はブリと言われていて、鮮魚店では少しずつ入荷が増えています。今年の価格の傾向を取材しました。
新鮮な海産物が並ぶ長野市の角上魚類。先日、店の外に設けられたのが―。
(アナウンサー)
「お年取りに欠かせないサケの特設コーナーです。一匹まるまる持ってみると大迫力で、縁起がよさそうです」
東北信の年取り魚のサケ。銀鮭や秋鮭など6種類が並びます。
長野市の店舗は2024年、12月のサケ部門の売り上げが、全国21店舗の中で1位となりました。今年も販売に力を入れています。
気になるのが価格。今年はどうなのでしょうか。
角上魚類 長野店・渋沢章店長:
「例年に比べるとかなり高くなっていて、過去最高の高値だと思う。秋鮭においては過去最高の不漁で全然魚が取れていないのが現実」
秋鮭は夏の猛暑の影響で不漁となっていて、過去最高水準の高値に。サイズも例年より小ぶりだということです。
買い物客は―。
客:
「サケを買いに東御市から来ました。今年高いですよね」
アナウンサー:
「過去最高値らしいです」
客:
「だから悩んでいたんですけど、このくらいの値段なら。普段食べていてもやっぱりお正月に食べないと」
客:
「(目当ては)贈答用のサケ。1匹買おうと思ったけど高いので切り身を。なくなったらいけないから早めに来た。せっかくだから買っちゃいます」
値段は上がっても「年取りには欠かせない」という声が多く聞かれました。
そんな中でも店側がおすすめするのが―。
角上魚類 長野店・渋沢章店長:
「サイズが大きくなって値段据え置きなのは、三陸産の銀鮭。養殖ですが、皆さん口に慣れていて、脂がかなり乗っているので」
続いては、中南信の年取り魚のブリ。
(アナウンサー)
「去年は豊漁で、お得に買えていたブリですが、今年は値上がりしているということです。
「空前の大漁」と言われた2024年は、天然、養殖ともに、安定した流通量で、値段もお手頃でしたが―。
角上魚類 長野店・渋沢章店長:
「ブリも例年に比べてかなり高くなっていて、値段で言うと、1キロ300円前後、去年より上がっている」
猛暑の影響で、エサを食べず大きくならなかったことや、エサ代などのコストの上昇で養殖物は高値となっています。
天然モノは、これから豊漁になれば、例年並みの値段で販売できるということです。
角上魚類 長野店・渋沢章店長:
「お客さんにおいしいものを食べてもらえればと思いますので、私たちも(豊漁に)期待しています」
このほか、カズノコやカニなど年末年始の食卓を彩る食材も軒並み高値傾向ですが、数の子では味付きのものが、カニではズワイガニが比較的値段が抑えられていて、おすすめだということです。
角上魚類 長野店・渋沢章店長:
「せっかくの1年間のしめくくりに、おいしい魚を食べてもらって、喜んでもらって、来年につなげてもらえれば」