遺骨の引き取り手が見つかっていない原爆犠牲者をめぐり、広島市が初めて実施した遺髪のDNA型鑑定で身元が判明し、遺族が胸の内を明かしました。


【被爆者の遺族 梶山修治さん】
「初枝として認められたということは、立証されたということは本当によかったなと」

喜びを語ったのは身元が判明した「梶山初枝」さんの甥、梶山修治さんです。

修治さんは今年5月、原爆供養塔納骨名簿に名前が記載されている「鍛治山ミチ子」さんが、原爆投下後に行方がわからなくなっている「梶山初枝」さんの可能性があと、広島市に問い合わせていました。

問い合わせを受けた広島市は、骨壺の中にあった遺髪をもとに初めてDNA型鑑定を実施。

今月10日に遺髪からDNAの抽出に成功し、初枝さんの妹の口腔内細胞と照合した結果、血縁関係にあるとして、身元が「梶山初枝」さんと判明したということです。

今回の結果を受け広島市は、今後も申し出があればDNA型鑑定を行うとしています。

■原爆犠牲者のDNA型鑑定にはいくつかの条件が

今後広島市は、遺族からの申し出があればDNA型鑑定を行うとしていますが、これには条件があります。

1 納骨名簿に名前があるか
2 遺髪が残っているか
3 母系の血縁関係がある遺族が生きているか

※遺骨は焼かれているため、DNAの抽出が難しく”毛髪”が最後の砦。

DNA型鑑定実施の報道を受け、すでに7人から問い合わせがありましたが、「名簿に載っていない」「遺髪が残っていない」などを理由に行えていないそうです。

原爆供養塔にある納骨名簿の台帳によると、あと10人ほど遺髪が残っていると見られています。今後もより多くの引き取り手が、見つかることが期待されます。

テレビ新広島
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