「国公立・有名私大への逆転合格を実現させます」

そんなうたい文句でオンライン授業を行っていた受験塾が突如“音信不通”となり、関係者に困惑が広がっている。
「担当者とまったく連絡が取れず」
息子が授業を受けていたAさん:
(息子は)すごくショックを受けていました。働く親の世代も、子どもを使ってだまされてしまうんだなと。

今年度の受験生Bさん(高校3年生):
焦りと悲しさっていうのが…大切な受験期に大幅なロスをしてしまったなと思いました。

授業料を支払っているのに、オンライン授業が行われない…こうした声が複数寄せられているのは、小論文や面接など、「総合型選抜入試」対策を中心に行う大学受験塾「SS義塾」。
息子が授業を受けていたAさん:
個別で教えるや集団で教える、親も子も24時間相談が担当者とできるというプランでした。(担当者は)絶対合格させます、絶対“GMARCH(学習院・明治・青学・立教・中央・法政)以上は保証します”と(言っていた)。
関東の有名私大を目指すAさんの息子は、現在高校1年生。

担当者の対応に若干の不信感を抱く場面があったものの、息子の熱意もあり、Aさんは11月に入会金と2カ月分の授業料、あわせて30万円余りを支払った。
最初のうちはオンライン授業などのメニューが受けられたというが、12月7日に事態は一変。
息子が授業を受けていたAさん:
日曜日も接続していたんですけど、なんか連絡が来ないというのを子どもが言い始め、連絡を取っていた(担当者)ともまったく連絡が取れず。Xとかいろいろ調べていたら、やっぱり(塾や担当者に)つながらないって方がいらっしゃったので。

Aさんの息子のプランでは、1カ月に24回分の授業が受けられるが、実際に受けられたのは7回分のみ。もう1カ月分については、まるまる残ったままで授業が受けられなくなった。
こうした事態を訴える書き込みが拡散されると、SS義塾側は、次のようなメッセージを発信。

「SS義塾の問い合わせ窓口に(中略)責任者直通ホットラインが追加されました」
「クリスマスだろうと、正月だろうと、元旦だろうと、(中略)真摯(しんし)に対応いたします」
息子が授業を受けていたAさん:
私は、すぐ直接電話をかけたり、メールをしたんですけど、(先週)日曜日から7日から同じ状態でずっとつながらないので…。

Aさんは消費者センターに相談のうえ、残りの授業料の返還と、自動で引き落とされる次の2カ月分の授業料の差し止め申請を行っているという。
息子が授業を受けていたAさん:
(息子は)あの先生は違うっていう。だから私がこうやって動く中で、ああ本当にだます大人っているんだって、すごくショックを受けていました。私としては、金額(授業料)をまず皆さんにちゃんと返してもらいたい。
SS義塾でのオンライン授業をめぐる料金トラブル。
実は、今回の事態が明るみに出る以前の、10月の段階でも起こっていたと、別の受講生が証言した。

今年度の受験生Bさん(高校3年生):
個別指導が残り7回、集団授業は5回くらい残っていました。
ーー返金されたか?
まだ返ってきていないです。
こう語るのは、入試の直前期間の授業が受けられず、その料金も返金されていないと訴える高校3年生のBさん。

今年度の受験生Bさん(高校3年生):
貴重な価値のある個別指導なのに、連絡もなしに来なかったことがありました。やっぱり一番は、たくさん両親はお金を支払ってくれたのに、こういう形で塾が終わってしまうのがすごく悔しいです。受験という大切なイベントを台無しにされている人がまた増えたという…。
運営会社の社長は取材に…
SS義塾内部の状況はどうなっているのか。
ウェブサイトに記載されている運営会社の住所に行ってみると…。

記者リポート:
全然違う会社が入っていました。レンタルオフィスで住所を貸しているそうです。

なぜオンライン授業が突如休止になったのか、そして授業料は返還されるのか。
運営会社の社長が15日、「イット!」の取材にメールで返答した。

運営会社の社長:
実務運営を委託していた中心人物が、営業・経理・一部講師を抱き込み、事業資金を全額不正出金し、塾運営を機能不全に陥れて逃亡した。

としたうえで、運営状況を復帰させ、生徒や保護者などに適切な方法で連絡が取れる状況に戻し、深くおわびしたい、としている。
(「イット!」 12月15日放送より)
