冬春トマトの国内有数の生産地、八代地域では今シーズンの出荷作業が最盛期を迎えています。一方で今年8月の記録的大雨やその後の猛暑の影響で収穫直前のトマトが割れる被害が続いていて出荷に影響が出ています。
八代市鏡町にあるおよそ70アールのハウスでトマトを栽培している橘昌史さんです。橘さんが所属するJAやつしろ北部郡築園芸部会では今年8月の記録的豪雨で地区全域に大量の雨水が流れ込み、会員113人ほぼ全員が被災。橘さんも作業場やハウス、そして1週間後に植える予定だったおよそ1万4千本のトマトの苗が浸水する被害にあいました。
【橘農園橘昌史さん】「苗が漬かってしまって圃場(ほじょう)も水浸しになって当日は正直、今年のトマトはダメなんじゃないかと。あきらめてしまうくらい衝撃だった」
被災後苗やハウス内の土の管理など復旧作業を続けた結果、予定より5日ほど遅れながらも無事苗を植えることができました。
そしていよいよ収穫、年内の最盛期を迎えていますが、今年はトマトに異変が起きているというのです。
【橘農園橘昌史さん】「収穫している(トマトの)玉が割れていて7割8割くらい廃棄せざるを得ないトマトがでてすごく大変です」
割れが大きいトマトは傷みやすく出荷量にも大きな影響が出ているということです。一方、無事収穫できたトマトは例年通り糖度も高く濃厚なうまみが感じられ上々の出来に仕上がっているということです。
【橘農園橘昌史さん】「今年はいつもの3倍も4倍も手がかかってきたいつもよりおいしく育っていると思います。」
「災害を乗り越えたトマトよかったら手に取って食べてくれたらうれしいです」豪雨から4か月、災害に負けない八代の冬春トマトは来年6月ごろまで出荷されます。