本格的な冬のシーズンが到来してもクマの被害が止まりません。

11月30日、山形県の住宅に設置された防犯カメラが捉えた映像には、クマが道路を横切り住宅の敷地へと侵入する姿が。

何か目的があったのでしょうか、脇目も振らず侵入していきます。

住民:
何げなく窓から外を見たとき、黒い60、70cmぐらいの物体がウッドデッキの脇を通っていった」と話します。

クマは家の中に入らず住民への被害はなかったものの、柵が倒され、ふんのようなものが3カ所庭に残されていたといいます。

住民:
外に出る時とか、車の乗り降りとか、十分に周りを確認して行動していかなきゃ。

さらに、ヒグマの出没件数が過去最多を更新した北海道・札幌市でも11月29日、幹線道路にクマが出没。

撮影者:
軽自動車みたいな大きさのクマがいて、すごくびっくりした。目撃したのは初めて。冬眠しないんだって感じ。

いまだに活発な行動を続けるクマ。
市の担当者は、被害を食い止めるために今後、鍵となってくる対策があるといいます。

それが、有刺鉄線に囲まれたワナを使った「ヘアトラップ」です。
この有刺鉄線に絡みついたクマの毛をDNA分析することで、生息数の推定や行動範囲の把握が可能になるといいます。

札幌市 環境都市推進部・坂田一人さん:
今年で言えば三十数カ所にヘアトラップを仕掛けているが、例えば数カ所で同じ個体が識別できれば、捕獲場所としてどのあたりが良いのかというところも行動圏から選べる。

もしも市街地に出没したクマのDNAが取れれば、過去のデータと照らし合わせることで、対処がスムーズになる可能性があるといいます。

待ったなしの対策が必要となる中、今後クマは冬眠を迎え、被害は収まりを見せていくのでしょうか。

冬眠中の母グマの胸元に抱かれた生まれたばかりの子グマの映像があります。
メスのクマは冬眠中でも巣穴の中で1頭から2頭を出産し、野生の状況では飲まず食わずで子グマを育てるといいます。

専門家によると、すでに多くのクマは冬眠に入っているといいます。
しかし、山での餌が不作だったため、脂肪がつけられなかったクマが、今後も食べ物を求め人里への出没が続く可能性があるといいます。

雪深い中でもクマが出没するような異例の光景が2025年は増えてしまうのか。
警戒はまだまだ続きそうです。