3連休も全国各地でクマによる被害が相次ぎました。目撃情報が相次ぐ岐阜県中津川市でも、住民らが警戒を続けています。

■「米ぬか」の味覚え…何度も同じ倉庫に

2025年9月、下校中の高校生が襲われる被害があった岐阜県中津川市の坂下地区。住民たちは例年クマに悩まされてきました。

原さん:
「米ぬかをくわえて、そこへ下りて川で食べていた」

2024年8月、農機具を保管していた倉庫にクマが出たときの映像、体長140センチを超えるツキノワグマが座り込み、床に広がったものを食べているようです。しばらくすると、大きな袋をくわえて持っていきました。

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クマが食べていたのは、イノシシを捕獲するワナにしかけるエサや農作物の肥料に使う米ぬかです。一度被害に遭ってからは冷凍庫にしまいましたが、米ぬかの味を覚えたクマは繰り返し現れました。

原さん:
「空にして、まだここにエサがあると思ってひっかいて。民家についてしまって味を覚えると、近所の家に入るようになるので、市役所の方からもすごく心配してもらって」

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このクマは、倉庫にしかけたワナにかかり駆除されました。

■AIがクマを検知…被害防止へ”新兵器”

クマ対策の新兵器も登場しました。防犯カメラなどを手掛ける名古屋市中区のレッツ・コーポレーションが開発した「AI熊さんカメラ」です。

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AIがクマだけを検知して、光や音でリアルタイムに危険を知らせます。

今のところ、クマが10回現れれば9回検知できる精度といい、一般の家庭向けにはおよそ12万円で販売しているということです。

■クマはいつまで警戒…冬眠中にも活動する!?

クマといえば冬眠する動物とされていますが、去年12月末には秋田県美郷町で「雪原を駆けるクマ」が撮影されました。秋田県では、本来冬眠しているはずの1月にもクマが目撃されています。

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クマの生態に詳しい、岐阜大学の森智基特任助教によりますと、「野生のクマは基本的に冬眠する」ということですが、冬眠中でも「すぐに活動できる状態」だそうです。

音などの刺激や危険が迫ると目覚め、メスのクマは冬眠中に出産をします。そして、まれではありますが、冬眠場所を移動するという報告もあるそうです。

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基本的にクマは、冬眠する前に蓄えた脂肪をエネルギーにするため、冬眠中に筋肉が衰えることは少ないそうで、すぐ動ける状態なんだそうです。

さらに、クマがなかなか寝ない可能性もあります。クマはエサがなくなるから冬眠するため、人里でカキなどのエサを食べているクマは、エサを確保できる期間が伸びるので、冬眠に入るのが遅くなる可能性があるそうです。

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森特任助教は「遅れても年内には冬眠するはずなので、12月いっぱいは注意が必要」と話していました。

東海テレビ
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