人間の言葉を正確に理解する“天才犬”がいま注目を浴びている。世界で確認されているたった47頭のうち、イギリスの6歳のボーダーコリー、ハービーくんを取材した。
“スイカ”も“キリン”も名前だけで探し当てる犬
ハービーくんの特技は、人間の言葉を正確に理解できることだ。

「ハービー、ゴー・ファインド・ウォーターメロン!」と指示を出すと、ハービーくんは、たくさんのぬいぐるみの中からスイカを持ってきた。次に、「ハービー、ゴー・ファインド・ジラフ!」とキリンのぬいぐるみを探すようにお願いすると、ちょっぴり苦戦している様子だったが、ぬいぐるみの山の中をくまなく捜索し、しっかり記者の元へと届けてくれた。
世界で確認されている人間のことばを多く覚えられる犬はわずか47頭。このうち10頭以上がイギリスで暮らしている。
「お利口さんは誰?科学者たちは『天才犬』を“嗅ぎ分けよう”としている」という見出しのイギリスの大手新聞の特集記事には、ハービーくんも天才犬の一頭として登場。 言葉を学ぶ能力が国際的に認められ、いま世界で注目を集めている。
ハービーくんが覚えたおもちゃの名前は、なんと220種類以上。飼い主のアイリーンさんが、ぬいぐるみを買っては名前を覚えさせることを繰り返すうちに、どんどん数が増えていったという。
アイリーンさんには遊ぶ時に必ず伝える魔法の言葉がある。それは「イエス!」だ。アイリーンさんは、「彼は私の気に入ることをすると(私から)大きな『イエス!』がもらえる。『そう、それでいいんだよ!』と、一緒に大盛り上がりのお祝いになると分かっている」と話す。
「根気強さ」と「一貫性」がカギ
では、一体どうやって名前を覚えさせているのか。

アイリーンさんが柴犬のぬいぐるみを手に持ち、「シバイヌ!シバイヌ!」とぬいぐるみの名前を繰り返し、ハービーくんが持ってきてくれる度にご褒美のおやつをあげる。そして、「ゴー・アンド・ファインド!シバイヌ!」と指示するとハービーくんは柴犬のぬいぐるみを選ぶ。わずか5分で成功した。
コミュニケーションで大切なのは、「根気強さ」と「一貫性」だという。アイリーンさんは、「例えば犬に『おすわり』と言っても座らないと『まあいいか』と済ませてしまう人もいます。でも『おすわり、待って、待って』と根気よく続けると(犬は)座るんです。そこで『いい子!』と褒める。そうすると、自分がやるべき良い行動は座ることなんだと理解します」と話す。
ある研究によると、世界で確認されている人間の言葉を覚える47頭のうち、7割以上はボーダーコリーやそのミックスで、なんと「1022種類」の言葉を覚えている犬もいるという。
(「イット!」11月25日放送より)
