東京電力・柏崎刈羽原発をめぐり新潟県の花角知事は11月21日、再稼働を容認する判断を示し、県議会で信を問うことを表明しました。知事が示したこの「議会で信を問う」という方針をめぐっては様々な分野で賛否の声があがっています。

11月25日、県庁を包囲したのは花角知事が再稼働容認の考えを示し、議会で信を問うと表明したことに抗議する人間の鎖。

【新潟県民ネットワーク 片岡豊さん】
「県民の意向をものの見事に無視した判断に、皆さんもそうでしょうが、怒りを禁じ得ません。皆さん怒りの声をあげましょう」

事前の集会には会場に入りきれないほどの人が。県内だけでなく福島など近県から約1200人が集まり抗議の声をあげました。

【抗議の声】
「花角知事は公約を守れ、公約を守れ」

【参加者】
「もう見えている。県議会なんて当然みんな賛成だから本当に信を問うことにはならない」

抗議の声があがる一方で、花角知事の判断を評価したのが経済界です。

【新潟商工会議所 廣田幹人 会頭】
「自分の存在意義をかけて県外に諮る。それは、答えありきではなく信念を持ってそういうふうに考えたのだと思う」

一方、24日、柏崎刈羽原発を訪れた公明党の斉藤鉄夫代表が評価したのは東京電力の安全に対する姿勢です。

【公明党 斉藤鉄夫 代表】
「安全に終わりはないと言われているが、その終わりのないことを徹底して頑張っていこうという姿勢を見させていただいた」

県議会の最大会派・自民党が花角知事を信任する方針を25日、決めたため再稼働が確実視されますが、県民意識調査でも明らかになったように東京電力への信頼が回復したわけではありません。

【東京電力 小早川智明 社長】
「これ(安全対策)はもう終わりがない。そういう改善を繰り返していくしかない」

花角知事が議会の信任を得て国に対し正式に再稼働を了承したあと、早ければ1カ月ほどで再稼働が可能だという柏崎刈羽原発。

【柏崎刈羽原子力規制事務所 伊藤信哉 所長】
「我々は再稼働しようがしまいが、原子力安全をしっかりと監視していくだけ」

原子力規制事務所の伊藤信哉所長はこう話した上で、ソフト面にも注意して監視を行う考えを示しました。

【柏崎刈羽原子力規制事務所 伊藤信哉 所長】
「14年ぶりなので、ソフトの面、東電社員14年生がいるが1回も運転したことがない。考えられるのはヒューマンエラー」

議会で信を問うという判断に賛否の声があがる一方で、すでに再稼働を見越した動きも出始めています。

NST新潟総合テレビ
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