北海道札幌市でのクマの出没件数が2025年11月25日現在、358件に達し、過去最多を更新しました。
これまで南区に集中していた出没が、中央区や西区など他の区にも広がっているのが特徴です。
市によりますと、例年11月の出没件数と比較しても2025年度は大幅に増加しています。
出没のピークは9月から11月に集中し、全体の68.2%を占めました。
10月に西区の平和丘陵公園で散歩中の人を襲ったとみられるクマについては、公園に残された糞のDNA鑑定などから、10月9日に箱罠で駆除された個体と同一であることがわかりました。
10月に西区西野で実施された緊急銃猟では、決定から発砲までわずか50分というスピード対応となりました。
一方で、急な展開により少人数での対応を余儀なくされ、現場は苦慮したということです。
2025年度の駆除数は計19頭となっています。
出没増加の要因について市は、今年の秋に山の木の実が不作だったことなど主に4点を挙げています。
市は今後、重点エリアの拡大やゾーニングの見直しなどを検討する方針です。
専門家は「(ドングリなどの実なりのサイクルなどから)来年はクマの出没が穏やかになると思われるが、今年生まれた0歳の個体がきちんと冬眠できるかどうかが懸念される」と指摘。
市の担当者は「今年の教訓を活かし、対策を進めていきたい」としています。