25日、山上徹也被告(45)が再び証言台に立ちました。
安倍元首相を狙うに至った経緯を明かしました。
25日、11回目を迎えた安倍元首相銃撃事件の裁判。
殺人などの罪に問われている山上徹也被告が、前回に続き証言台に立ち、安倍元首相襲撃に至った経緯を明かしました。
弁護側が質問したのは、2015年に自殺した兄について。
山上被告は当時の心境を聞かれると時折、言葉に詰まりながら「いろいろトラブルを抱えていたのに突き放したこともあったので、遺体を見たときショックだった。助けてやれなかったと…」と答えました。
また、母親が祖父の家を売った理由が、旧統一教会への献金だと認識した際の状況については「『祖父の負債じゃなくて教会への献金のためだ』と母親から言ってきた」「本当の理由がわかって、やっと足場が定まったような気がした」「自分がふがいないとか、自分の責任だと思っていたことが母親の献金だとわかって明るい気持ちになった」と述べました。
その後、旧統一教会幹部の襲撃を2度計画したと説明。
1回目はナイフと催涙スプレーを準備し、2回目は火炎瓶を準備して現地に向かうも実行できなかったため銃を製造するに至ったとし、「(襲撃)対象と距離を取れば発砲できたりすると考えた」「ナイフで刺すのは心理的抵抗があるので、一つは火炎瓶であったが、確実性に欠けるので距離を取るのは銃がいいと思った」と証言しました。
襲撃する対象について当初は、旧統一教会の韓鶴子総裁を考えていたなどと発言。
しかし、安倍元首相と旧統一教会のつながりがあると認識した後は、教団の友好団体に安倍氏が寄せたビデオメッセージなども確認したと話しました。
安倍元首相と教団のつながりについては「長い間、首相を務めた人なんだから、これからどんどん旧統一教会が認められていく、認知されていってしまうのが良くないと思った。(安倍元首相の動きは)非常にくやしい、受け入れられないと思った」と述べました。
そして、この時に抱いた感情については「絶望感と危機感かと思います」と述べたのです。
12月2日に行われる次回の公判でも、被告人質問は続きます。