クマの出没や人身被害が相次ぐ中、自治体で新たな対策の導入が進みつつあります。新潟県新発田市ではドローンを活用したクマ対策の実験が行われました。クマを追い払うその秘策とは?

住宅地など人里でのクマの目撃情報が急増し、11月、緊急銃猟も実施された新発田市。このたび、クマ対策の実験に活用されたのがドローンです。

新発田市ではこれまでもイノシシによる農作物への被害が深刻となる中、イノシシの生息分布を調べるなどドローンを活用し、野生動物による被害を減らす対策に乗り出してきました。

しかし、今回のクマ対策はただ生息分布を調べるだけではありません。上空約80mに飛ばしたドローンからは何やら音が聞こえてきます。

ドローンに搭載されたスピーカーから流れるその音というのが、クマが嫌うとされる犬の鳴き声。

このほか猛禽類など30種類の音声を流し、クマを人里に寄せつけないことが狙いです。

【記者リポート】
「飛行するドローンから500mほど離れた場所。ここでも犬の鳴き声が聞こえます」

スピーカーからは最大で約130デシベルの音を出すことができ、広範囲での効果が期待できると言います。

【新発田市農林水産課 森谷圭 課長補佐】
「音の効果は高いんだろうなという印象は受けた」

また、ドローンには生き物の体温を捉える赤外線カメラも搭載。上空からクマを識別し市街地に近づく前に対策につなげたい考えです。

【新潟大学 箕口秀夫 名誉教授】
「(クマに対応する)人手が足りない状況なので、人手が足りない部分を技術で補っていくことはとても大切」

新発田市は今後、実験結果を分析し、来年度からの実用化を目指す方針です。

NST新潟総合テレビ
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