全国でクマの出没、そして人身被害が相次ぐ中、北海道・東北地方知事会がクマに関する国への緊急提言を取りまとめました。この中で新潟県の花角知事は過疎高齢化の進む地域での対応の難しさを指摘しています。
11月6日、青森県で開かれた北海道東北地方知事会。この場で議題にあがったのが、出没や人身被害の相次ぐクマへの対応です。
【福島県 内堀雅雄 知事】
「クマの人慣れもあるが、実は人のクマ慣れもある。あまりにもクマの出没のニュースが多すぎて、危機感が薄れる」
【山形県 吉村美栄子 知事】
「クマを見かけても通報しないというときがたくさんある」
全国でクマの出没が過去最多を上回るペースで続いていることで、逆にクマへの危機感が薄れていると各県の知事が警鐘を鳴らします。
さらに、花角知事が指摘したのは、過疎高齢化の進む地域での対応の難しさです。
【花角知事】
「過疎化が進む中で、なかなか手入れができていない柿の木だとか、雑木林とかがある。そこに、どうこれから手を入れていけばいいのかというのは本当に悩み」
クマのエサとなるブナが凶作となり、クマの出没や人身被害が相次いだことを受け、新潟県はクマ出没特別警報を発表。
【鳥獣被害対策支援センター 小根沢元浩 所長】
「クマのエサとなる生ごみや不要となった果樹を適切に処分いただきたい」
不要となった果樹の処分などを呼びかけていますが、人身被害が発生した場所の周辺には、処分されずに柿などが残されたままとなっているケースが多くみられます。
10月31日、クマが5時間にわたり居座った阿賀野市の会社の倉庫の周辺にも…。
【齋藤正昂アナウンサー】
「現場付近にはミカンのほか、柿の木といった果樹がなっている木が生えています」
【近隣住民】
「柿を食べに来るみたい」
こうした状況を受け、6日の知事会ではクマの出没防止対策や緊急銃猟の体制整備などへの財源の確保。
そして、所有者の分からない土地にある放置された果樹の伐採を可能にする制度の検討などを盛り込んだ緊急提言を取りまとめました。
【青森県 宮下宗一郎 知事】
「国民・県民に対する急迫不正の侵害であって、これは都道府県だけではなくて、国も含めて対応しなければいけないということは、改めて認識を共有できたと思う」
取りまとめた緊急提言は近く国に提出される予定です。