11月7日は二十四節季のひとつ、立冬です。暦の上では冬の始まりとされ、静岡県内でも深まる秋の表情がみられています。
山肌をパッチワークのように彩る黄色や赤。
冬の始まりとされる立冬を迎えた7日、朝晩の冷え込みが厳しくなった南アルプスの玄関口では鮮やかな紅葉がみられました。
静岡市葵区の畑薙第一ダム周辺ではナラやブナなどは黄色に。
カエデなどの葉は赤に彩られ、深まる秋の風景がみられました。
周辺での紅葉は例年11月中旬ころまで楽しめます。
そして、毎年立冬の日に三島から箱根に続く松並木で行われるのが、冬の間、松を害虫から守る“こも巻き”です。
藁で編んだ“こも”を腹巻のように松の幹に巻き付ける江戸時代からの害虫駆除の方法。
7日朝の三島市の最低気温は8.2℃と平年よりも低くなる中、地元の植木職人たちが100本の黒松の幹に“こも”を巻いていきました。
加々見園・加々見勝八郎さん:
東海道でこんなに太い松があるのはここだけらしい。もう残っているのがこれだけの距離。だから末永く孫子の代まで続けていきたいと思う
一方で、秋の味覚といえば“柿”。
富士山の麓で栽培される四ツ溝柿の収穫が最盛期を迎えています。
4つの浅い溝が特徴の四ツ溝柿。
果実はやや小さめの渋柿です。
約300本を栽培する富士宮市の佐野和臣さんの畑では収穫の最盛期を迎えていて、ひとつひとつ丁寧に収穫していました。
2025年は夏の暑さで収穫が早まっているということですが味や食感は例年通りで、炭酸ガスを使って渋抜きしてから出荷しています。
四ツ溝柿を栽培・佐野和臣さん:
本来よりも2週間くらい収穫期が早くなっているが、味も入ってきて甘さも増してきている。これからもっと甘くなる
そして、2025年も残すところ2カ月。
正月の縁起物づくりも始まっています。
ゴロリと作業台の上に置かれた丸々としたカツオ。
このカツオを使って作られるのが西伊豆町で古くから伝わる“潮カツオ”です。
潮カツオは西伊豆地区でお正月に神棚に供えた後食べられている縁起物の保存食。
7日は従業員が作業台の上に広げられた塩を腹やエラの中にたっぷりと詰め込んでいました。
潮カツオは塩水に漬け込んだ後、冬の風で乾かして完成。
あぶってそのまま食べても焼いた身をご飯に乗せてお茶漬けとしても楽しめます。
カネサ鰹節商店・芹沢安久さん:
本当にこれを作ると年末いよいよだなと感じる。とてもいい潮カツオができるので買ってもらえればうれしい
県内の多くの地点でこの時期らしい気温となった7日。
少しずつ冬の足音が聞こえてきています。