大手通信会社のNTT東日本では、山間部での通信設備工事に携わる社員をクマの被害から守るための研修会が11月6日に開かれました。
この研修会は、岩手県内でクマによる被害や目撃情報などが増えていることから、社員の安全を確保しようとNTT東日本岩手支店が初めて開きました。
6日はグループ会社を含め、山間部での業務にあたる社員など約110人が参加し、農林水産省の農作物野生鳥獣被害対策アドバイザーの谷崎修さんが講師を務めました。
谷崎修さん
「鼻からお尻まで、これで1m。十分成獣」
狩猟免許を持つ谷崎さんはクマの捕獲にも取り組んでいて、自身の経験を交えながらクマの特性や被害に遭わないための対策などを紹介しました。
谷崎修さん
「新しい痕跡。フンとか食痕、爪痕。あった場合は十分気を付ける」
谷崎さんはこのほか、クマの特性について、夜間は人間の50倍の視力があり嗅覚は人間の1万倍以上もあることなどを説明しました。
この後、参加者は追い払い用の花火やクマよけスプレーの使い方について指導を受け、実際に試していました。
参加者からは「いつ自分の身に降りかかってもおかしくない状況だと、みんなで話していた。今回良い機会だったので、身近なものと感じた」「嗅覚が鋭いとか夜目が利くとか、クマの特徴が知られて、クマの恐怖と対策がよく考えられたのが良かった」などの声が聞かれました。
NTT東日本岩手支店では、6日の講義の内容を社内で共有し、スプレーなどクマよけ用の備品を充実させたいとしています。