船体のプロペラの損傷のため10月から運休していた駿河湾フェリー。運航が11月6日に再開されました。赤字経営が続き存続が危ぶまれていてまさに崖っぷちでの新たな船出です。
斉藤力公 記者:
午前7時半です。1か月ぶりの運転再開に待ちわびた乗客たちが続々と乗船していきます
プロペラの損傷で運休が続いていた駿河湾フェリーが11月6日、1カ月ぶりに運航を再開しました。
乗り場には事前予約をして心待ちにしていた人も。
長野から来た人:
待ちわびてたというのもある。前回来た時は景色があまり望めないような天気だったけれど、きょうはかなり良いかなと期待している。富士山も見られれば
神戸から来た人:
「ゆるきゃん△」というアニメのスタンプラリーを静岡県内でやっていて、このフェリーに乗ったら記念乗船券がもらえる。伊豆も初めて行くので聖地巡礼とは別に楽しみたい
ふじさん駿河湾フェリー・山本東 理事長:
何よりもまず最優先すべきは再発防止に取り組む。そうしたことを念頭にまた新たな気持ちで臨んでいきたい
2025年も残り2カ月ほど運営法人にとって苦難の多い1年でした。
1月、車やオートバイを乗り入れる際に使う台船に損傷が見つかったこともあり、3カ月にわたって運休を余儀なくされました。
4月、駿河湾フェリーはJR清水駅近くに新たな乗り場をオープンさせます。
アクセスの良さから利用者拡大の起爆剤として期待されていました。
乗り場の移転に合わせ人や自転車の乗船に限って運航を再開しましたが、今度は船体のプロペラに損傷が見つかり、夏の書入れ時に再び運休となりました。
斉藤力公 記者:
修理に出した台船が三浦半島からはるばる戻ってきました。これから作業員たちによって設置作業が進められます
9月、台船の修理が完了し8カ月ぶりに全面運航を再開します。
しかし、その約2週間後またもプロペラが損傷して運休に…。
2025年だけで3回運休する事態となりました。
赤字経営が続く駿河湾フェリーに対し県は2025年度に3億1000万円を補助して経営の立て直しを支援する一方、1年後に存続か、廃止か判断する見通しを示しました。
まさに崖っぷちの中で迎えた6日の再出発。
今後は水中ドローンを使った港内の調査で事故を防ぐほか、ペット連れやビジネス、イベント利用など幅広いニーズの取り込みを図りたいとしています。
ふじさん駿河湾フェリー・山本東 理事長:
私たちとそれぞれの(地元)企業とフェリーを通じた関係を構築して皆さんに支えられるフェリーに向かうようにしていくことが来年の今頃大事なのではないか
明るい未来への船出となるか今後が注目されます。