日本維新の会の藤田共同代表が、自身の公設秘書の会社に公金を支出したと報じられた問題。

同じ会社に日本維新の会の大阪総支部もビラ作成費として、およそ100万円を支出していたことが新たにわかりました。

■藤田共同代表「秘書の会社に公金支出」報じられる

【日本維新の会 吉村洋文代表】「公金の支出にできるだけ疑義が生じないようにすることが大切ですので」

日本維新の会が対応を迫られている公金の支出問題。

これは、しんぶん赤旗・日曜版が、「藤田共同代表の事務所が公設第一秘書の会社に、機関紙・ビラ印刷費などの名目で去年までのおよそ8年間、あわせて2100万円ほどを支払っていた」と報道したものです。

これに対し藤田共同代表は、「法的に問題がない。2100万円は大部分が機関紙のデザイン費。印刷実費などの仕入れ原価が当然に発生するものだ」と説明していました。

■藤田共同代表 会見で「一般的な商習慣というのを全く知らない」など発言

その後開いた記者会見で、藤田共同代表は、印刷会社に払った分などを差し引いて、粗利益と呼ばれるものが公設秘書の会社にいくら残ったのかと問われると。

【日本維新の会 藤田文武共同代表】「経営知識のない人は分からないかもしれないが、『原価を出してくれ』と言ったら、僕ら訴えられますよ」

また印刷会社の前に『なぜその会社を通したのか』という問いには。

【日本維新の会 藤田文武共同代表】「それは自由じゃないですか?」
(Q.自由だけどおかしくない?)
【日本維新の会 藤田文武共同代表】「何がおかしいんですか?」
【司会】「すみません、ちょっとここは質疑応答」
【日本維新の会 藤田文武共同代表】「それはあなたの感想であって、一般的な商習慣というのを全く知らないだけだと思います」

■吉村代表 「粗利益公表は難しい」

きょう=5日行われた吉村代表の定例会見で、粗利益を公表できるかと質問が出ると吉村代表は「その会社に公表してくれというのは難しい」との考えを示しました。

【日本維新の会 吉村洋文代表】「藤田共同代表がいくらで発注しているかが重要だと思いますから、もう公表されているので適正かどうかは判断できると思う。市場からみて高いかどうか判断できますから」
(Q.現在、粗利が分かっていないが、この状態で国民の理解が得られるか?)
【日本維新の会 吉村洋文代表】「藤田さんから(公設秘書の会社に)行ってるお金が明確に分かるから」

■同じ会社に吉村氏が代表の「維新・大阪府総支部」も支出と判明

さらに、同じ会社に対して、吉村氏が代表を務める日本維新の会の大阪府総支部も去年、ビラ作成費としておよそ100万円を支出していたことが新たにわかりました。

(Q.このことについて把握は?)
【日本維新の会 吉村洋文代表】「ビラ発注に携っていないので、把握してないです。そう記録があるのなら当然発注しているんだと思います」

日本維新の会はこれまで「3親等以内の親族の会社への公金支出を禁止」としていた党の規約について、「秘書が代表を務める会社に対しても禁止」とする方針です。

■橋下氏「藤田さん自ら組織を変えよ」

“維新の創設者”である橋下徹さんは『藤田さん自ら組織を変えよ』と題し、会見での対応も含めて藤田共同代表を厳しく批判する一方で、「ここで心を変えて、組織を変えてもらいたい」と話しました。

【橋下さん】「僕はずっと維新の国会議員団に疑問を持ってたんですけども、今の維新国会議員団の姿が、藤田さんの会見の姿。

ああいう態度が今の一種の国会議員の姿なんだってことを有権者はしっかり見てもらいたいですね。

『適法だ』っていうのは、たまたまルールがなかったから違法になってないだけで、胸を張れる話じゃないんですよ。『疑義が生じたからきちっと改めます』という態度でいかないといけないのに、『経理の知識がない。商習慣知らない』って何言ってんだと。

人生経験とか実務経験の長い人なんか、世の中にいっぱいいるんだから、これで国政政党の代表をやって、国民負担を求めるような改革をされるってのは僕はちょっと有権者・納税者として納得できないですね。

ただ僕は、ある意味ここで心を変えて、今まで疑義が生じてたっていうことはあったと反省して、これから組織を変えていく。組織をしっかり調べて改めていくってことを言って、組織を変えてもらいたいと思っています」

■安藤優子さん「『君たちは何も知らない』っていう態度は『あれはない』」

さらにジャーナリストの安藤優子さんも記者会見を含め、一連の対応を批判しました。

【ジャーナリスト 安藤さん】「疑義が生じていて、会見のときに『君たちは何も知らない』っていう態度は『あれはない』と思いますよ。

だって、正直言って、この外形的な事実だけ聞くと、『なんでそんな近しいところにわざわざ発注したの』と、そりゃ思うに決まってるじゃないですか。

直接そのまま印刷業者に発注すればよかったじゃないすか。『デザインも必要だ』というのはわかるけど、デザインも印刷もやる会社なんて今いくらでもありますし。

あともう1つ、『李下に冠を正さず』って言葉があるじゃないですか。

やっぱり『スモモ(李)の木の下に行って、冠を直すと、そのスモモ(李)を取ろうとしているんじゃないか』って疑いが持たれるから、しないほうがいいという言葉があるように、やっぱり何か変だなって思われるかもしれないことはやらないほうがいいんじゃないですか。

それがルールに適正に則ってるかどうかも含めて、『それはちょっとおかしいんじゃないのって』言われるようなことは、そもそも回避する、やらないっていうのがやっぱりある種の矜持じゃないかなって今聞いてて思います」

(関西テレビ「newsランナー」2025年11月5日放送)

関西テレビ
関西テレビ

滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。