クマの出没が最悪ペースとなり、住民には恐怖が広がり、さまざまな対策を講じている。
そんな中、ついに自衛隊が出動した。ただ今回、派遣された隊員は、トラックに積まれた箱わなを運搬するなど捕獲にむけての後方支援にあたる予定。

“クマ撃退スプレー”は完売

止まらない各地でのクマ出没。

この記事の画像(19枚)

宮城・大崎市では、民家の庭先にある木の上で柿を食べるクマの姿が目撃された。

「柿の上にクマがいて、柿食べている」

また、秋田・仙北市では美術館の敷地内をクマがのそのそと歩いていた。

さらに富山市では、交通量が多い国道沿いにあるやぶの中でクマを発見。

現場に緊張が走る中、銃声が響いた。

記者リポート:
いま銃声が聞こえました。2発目です。3発目です。

現場に鳴り響いた3発の銃声。

やぶの中のプレハブ小屋のそばにいたクマ1頭が駆除された。

通行人:
びっくり。何してるのかと…。怖いですね、こんなところにクマが出たら。

“クマ災害”が猛威を振るう中、4日午後、自衛隊が秋田・鹿角市で支援活動を開始した。

鹿角市では9年前に山林でタケノコ採りにやってきた男女4人が次々とクマに襲われる“連続殺害事件”が起き、世間を震撼させた。

その凶暴グマは、鹿角市のイニシャルから“スーパーK”と名付けられた。

番組は、クマ対策に自衛隊が出動した鹿角市内を緊急取材。

洋服店では、自動ドアを手動に切り替えてクマの侵入を防いでいた。

洋服店の店主:
取っ手を変えて自動で開かないよう早めにやりました。(家族も)夜8時に出掛けていたが、それも中止にしている。本当に(クマが)隣まで来ている感覚。

焼き物店で働く女性は、仕事の行き帰りでクマに襲われるのではないかと恐怖を感じていた。

焼き物店で働く女性:
クマが出たところを通るのは怖いから、自転車のベルを鳴らしながら来る。ヘルメットをしてやっています。

一方、秋田・男鹿市のスーパーで人気商品になっていたのは…。

記者リポート:
スーパーの一画にはクマ対策コーナーが作られていて、クマよけ用のスズなどが置かれています。

“クマ撃退スプレー”はすでに完売。

この店では、クマ対策グッズが2024年の約8倍の売れ行きとなっていた。

買い物客:
怖い。よろいを着て歩かないといけない。ラジオを最高にボリュームを上げて体につけている。

買い物客:
やらないより、やった方がいい。このタイプ(火薬銃)は使いやすい。すぐパンパンパンと使える。(残り)1個しかなかったから、最後なのでキープしておこうかと。

自衛隊がクマ捕獲の支援活動に出動

住民に不安が広がる中、異例となるクマ捕獲の支援活動に5日に出動した自衛隊。

自衛隊は過去にも武器を使って害獣を駆除した経験がある。

それは、“海のギャング”と呼ばれるトド。

1960年頃、北海道の新冠町では、沿岸に押し寄せるトドの被害に悩まされていた。

そこで、地元から要請を受けた自衛隊は「訓練」という名目で機関砲を使用。トドの駆除にあたった。

ただ今回、派遣された約15人の隊員は、トラックに積まれた箱わなを運搬するなど捕獲にむけての後方支援にあたる予定。
(「イット!」11月5日放送より)