鉄板の上で焼かれるスルメイカ。
今、このスルメイカを巡って漁の現場が揺れています。

スルメイカを丸ごと焼き上げた見栄えからイカ焼きがSNSを通じて人気となり、看板メニューとなっている「アメ横酒場 山賊海賊アメ横センタービル店」。

訪れた観光客は、「おいしいです」「これ好きです。フランスにはないです、初めて食べました。おいしい!」などと話し、イカ焼きを楽しんでいました。

しかしこのイカ焼き、価格が高騰しすぎたため、メニューから外した時期もあったといいます。

アメ横酒場 山賊海賊アメ横センタービル店・中村将哉店長:
サイズ落としたり、価格の交渉をしたりして何とかやっているという状況です。味は特に問題ないので大丈夫。

画面左が2024年のサイズのイカ、右が現在提供しているサイズです。

アメ横酒場 山賊海賊アメ横センタービル店・中村将哉店長:
(スルメイカの)量が取れてるのは承知の上なんですけど、できればイカが安くなってほしい。

スルメイカは2016年以降不漁が続いていましたが、2025年は約10年ぶりに回復。

ところが、イカの街北海道・函館市の鮮魚店を10月に取材したところ、店頭には「今年最後のイカになるかも…」との思わせぶりな言葉が。

紺地鮮魚・紺地慶一さん:
なんか漁獲枠があるんだって…。本当に憤りを感じているのは、たぶん漁師さんが一番。10年ぶりぐらいでやっと(豊漁)。やっと…かわいそうだ。

約10年ぶりの豊漁により漁獲枠を超えたという理由で、北海道のスルメイカ漁が2026年3月まで休漁となったのです。

漁協が開いた説明会では、突然決まった休漁に、漁業者から戸惑いの声が相次ぎました。

イカ漁師:
こんなことあっていいの。明日から給料出ないって言われたらどうする?“獲れ(るようになっ)て良かったね”っていうことがない制度っておかしい。こんなことしてたら、個人の漁師なんて日本から消滅する。

こうした状況の中、水産庁は5日、最新の資源評価を踏まえ、2025年の漁獲可能量を増やす方向で議論しています。

漁業関係者は、議論の行方に大きな関心を寄せています。