近年、社会問題化している客から不当なクレームや暴言などを受けるカスタマーハラスメント、いわゆるカスハラ。11月5日、岡山市では従業員をカスハラから守るための企業向けのセミナーが開かれました。

「店員に過度な謝罪や土下座を求める」
「店側に過失がないにも関わらず商品の交換を要求する」

これらは岡山市で実際にあったカスハラの事例です。理不尽なクレームや過度な要求など今やどの職場でも起きうるカスハラについて、岡山市で専門家によるセミナーが開かれました。

(日本ワークルール検定協会 齊藤勉理事)
「カスハラの一因は行き過ぎたお客様第一主義。(お客様は)神様ではない」

一体なぜ、今カスハラが社会問題となっているのでしょうか。

(日本ワークルール検定協会 齊藤勉理事)
「日本でいうおもてなしという素晴らしい言葉があるがお互いにそれが過剰反応してしまう。ネット社会の中で言って当たり前なんだという(風潮も)社会的背景にあるのでは」

セミナーの参加者にカスハラについて実際にどう感じるか聞いてみると。

(参加者)
「客の中には親しみを込めて大きな声を出すことがあるが受け取る方からすればカスハラと思うことがあるかもしれない。社員もいればアルバイトや若い人や年配の人がいるので受け取る側の問題もある」
「客も従業員も(カスハラの)線引きがわかっていないと対策もとれない」

明確な指針がないため判断が難しいとの声が相次ぎました。中には。

(参加者)
「サービス提供側が気に合わなかったりするとすぐカスハラだと言われると、本当にカスハラ?と思う何でも言われてしまうと体の不自由な人などは特に委縮してしまう」

(日本ワークルール検定協会 齊藤勉理事)
「誰でもわかるような基準を決める(ことが重要)。自分がカスハラをしているかどうか気付かないという点がカスハラ対策の一つでまずは知ってもらうことが大事」

2025年6月に法律の一部が改正され、カスハラの防止措置は企業の義務に。岡山市でも現在、政令指定都市で初めてとなるカスハラ防止条例の策定に向けた議論が進められています。

(誰もがくらしやすい社会調査特別委員会 高橋雄大委員長)
「社会全体でカスハラはアウトですよという機運をしっかりと醸成していきたい。特に条文の中で具体的なカスハラに当たるような事例の紹介も含めてしっかり明記していきたい」

不当なカスハラから従業員を守り、誰もが安心して生活していくために、官民連携での取り組みが必要不可欠です。

(日本ワークルール検定協会 齊藤勉理事)
「カスハラをしない、させない企業は従業員を守る。その流れができてくると違ってくるのでは」

岡山放送
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